2005 Fiscal Year Annual Research Report
教員過労防止を目指した学校講成員による教員労働関連性疲労リスク改善活動手法の構築
Project/Area Number |
17590522
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
城 憲秀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10137119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井谷 徹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00072661)
武山 英麿 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50347407)
榎原 毅 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50405156)
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Keywords | 産業保健 / 教育労働 / 疲労 / リスクアセスメント / 自主的改善方法 |
Research Abstract |
本年度の研究では、自主的な教員過労予防活動を推進するための基礎的資料とすべく教員の健康リスク調査を行った。具体的には教員のうち幼稚園教諭を主対象として、その健康状況および作業状況に関する質問紙調査や現場調査を実施し、作業関連性健康リスク評価を試みた。公立幼稚園に勤務する教諭150名を対象とした質問紙調査を行い、130名から回収した(回収率86.7%)。その結果、1)勤務時間は、平均で1日10.5時間であり、2)睡眠時間が6時間未満の者の割合は約40%、3)30〜40%の教諭が、頚肩腕部や腰部に最近1ヶ月間「いつも」痛みがあると訴え、4)この1年間に腰痛や頚肩腕部の痛みで治療(医師を受診)した者は約3割いることが判明した。従って、幼稚園教諭では筋骨格系の健康上の課題が大きいと考えられ、また、比較的長時間労働となるために、睡眠など個人生活を含めた疲労回復時間への圧迫があることが認められた。筋骨格系の課題に対する作業関連リスク要因を把握するため、「自覚症しらべ」、「疲労部位しらべ」、およびタイムモーションスタディを実施した。「自覚症しらべ」では、「だるさ感」以外の群では園児降園後にスコアの上昇がみられたが、「だるさ感」では1日を通じて一定の割合で上昇した。「疲労部位しらべ」では、上体と下体部では動きが異なり、腰部以下の下体では、園児在園時に上昇し、降園後は横ばいであったが、上体部では1日を通じて上昇することが判明した。5名の幼稚園教諭を対象としたタイムスタディからは、勤務時間の50%以上で立位姿勢をとっており、蹲踞、膝立ち、前傾など不安定姿勢も多くの教諭において15%以上の時間、観察された。以上より、幼稚園教諭では、筋骨格系疾患のリスクが高く、長時間労働と回復時間の不足、保育活動時の動作・姿勢がリスク要因として考えられた。
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