2005 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国のアルツハイマー病及び生活習慣病の現状とその発症メカニズムを解明する
Project/Area Number |
17590530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
翠川 薫 (財)先端医療振興財団, 臨床研究情報センター・脳疾患解析部, 研究員 (20393366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 明 (財)先端医療振興財団, 臨床研究情報センター・脳疾患解析部, 部長 (80181759)
翠川 裕 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教授 (10209819)
中村 哲 国立国際医療センター研究所, 適正技術開発移転研究部, 室長 (40207874)
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Keywords | 国際研究者交流 / ラオス / アルツハイマー / 生活習慣病 |
Research Abstract |
痴呆症を始めとする様々な生活習慣病は先進国では深刻な問題になっているが、発展途上国での現状を調査した研究は未だない。開発途上国であるラオス、ベトナム、カンボジア等の東南アジア諸国は、わが国と同様に米が主食の農耕民族である。経済発展が進む中、生活習慣病が今後は増加することが予想される。経済援助により急速な発展を遂げているこれらの国の有病率と生活・栄養調査による分析から、先進国が抱える疾病の発症メカニズムを解明すると共に、特にアルツハイマーの危険因子であるAPOE遺伝子解析を行い人種による発症率の違いが生活習慣や食生活とどのように関連しているかを明らかにし、第一次予防の確立と当該国への還元を目的とするものである。17年度はラオスの統計局と国立マホソート病院の協力を得て、病院の患者数と疾病を調査し、ラオスにおける疾病の現状を把握した。インフルエンザについで下痢症、肺炎、赤痢、デング熱、肺結核が年間患者数1000人を超える疾患の上位を占めていた。その他、感染症や寄生虫などが多くみられ、衛生状態は悪いと考えられる。都市部と農村部で行ったフィールド調査では、家族構成、身体状態、栄養調査などの基本的なデータを収集した。BMIの結果は都市部に比べ農村部では痩せ型が多く、20代女子では32%に上った。また本年度は調査した村や病院におけるアルツハイマー患者は確認できなかった。インフォームドコンセントを得られた健常人から、血液採取を行ないアルツハイマーの危険因子であるAPOE遺伝子解析を行った。本年度は事前調査のため77件と検体数が少ないが、APOEε4をもつ健常者はいなかったが、同じ国内でも山岳民族等を含め、村が違えば遺伝子分布が異なる事が明らかになった。 以上の研究成果を、第76回日本衛生学会にて発表した。また本研究論文は「第1回トリムライフサイエンス賞」にて、審査員特別賞を受賞した。
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Research Products
(1 results)