2005 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白β3サブユニット遺伝子のハプロタイプによる疾患リスクと予防医学的応用
Project/Area Number |
17590534
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
能川 浩二 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40019584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪園 靖 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90302546)
小林 悦子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80097427)
上谷 実礼 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (30376371)
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Keywords | 遺伝子多型 / 高脂血症 / 糖尿病 / 高尿酸血症 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
分子生物学の医学への応用が急速に進歩し近年は後天性の慢性疾患でも関連遺伝子が報告されている。高血圧症、肥満、心疾患等の慢性疾患の遺伝は多因子遺伝と考えられており、複数の遺伝子が相互作用しつつ、あるいは環境因子や宿主側の要因(生活習慣等)から影響を受けつつその相互作用によって発症すると考えられる。したがって大規模な一般人の集団に対しこれらの遺伝子の影響とその組み合わせによる効果の検討、および遺伝子と宿主側の要因(生活習慣等)との組み合わせによる効果の検討を行う必要があるとの考えに至った。G蛋白β3サブユニットのC825T遺伝子多型は、高血圧、糖尿病、肥満、高尿酸血症、高脂血症に関して欧米で注目され、有意な関連が認められている。一方われわれの日本人での大規模調査では、十分な検出力を有していたのにもかかわらず高血圧、肥満、高尿酸血症について同様の結果が得られなかった。この人種間の違いについて、われわれは、G蛋白β3サブユニットのその他の遺伝子多型である、G814A、C1429T、G5177Aとのハプロタイプが異なっているためであると予想している。そこで、本研究では、日本の一般人でこれらの遺伝子が、高血圧、糖尿病、肥満、高尿酸血症、高脂血症に影響を与えているのか、そしてその影響が、生活習慣など、これまでのリスクファクターと比較してどの程度であるか明らかにし、予防医学的に評価することを目的としている。本年度の実績としては、同意が得られた対象者のみに関し平成9年から16年まで毎年行われている健康診断時の年齢、既往歴、家族歴、生活習慣、身体計測値、血圧測定値、および尿、血液の測定結果をコンピュータに入力(コンピュータ購入)し、結合してデータベースを作成したこと、平成17年度の一般健康診断時に問診表を用いて対象者の既往歴および家族歴等を調査したこと。同意が得られた対象者のみに関し、健康診断時の年齢、既往歴、家族歴、生活習慣、身体計測値、血圧測定値、および尿、血液の測定結果をコンピュータに入力(コンピュータ購入)し、データベースを完成させたこと、遺伝子多型の検索に必要な試薬について購入をし、測定に着手したことである。さらに、今後これらの遺伝子多型について、検索を進め、そのハプロタイプについて解析を進める予定である。
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