2005 Fiscal Year Annual Research Report
ロタウイルス下痢症の疾病負担:3歳までの入院罹患リスクの推定
Project/Area Number |
17590547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Women's Junior College |
Principal Investigator |
横尾 美智代 九州女子短期大学, 助教授 (00336158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70143047)
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Keywords | ウイルス / 社会医学 / 感染症 |
Research Abstract |
初年度である本年度は質問紙調査、聞き取り調査等のデータ収集が目標であった。研究代表者の所属移動により、当初予定の長崎市内から北九州市内へフィールドを変更した。北九州市は政令指定都市、100万都市である。得られたデータは日本の都市部のロタウイルス入院患児の推計値としては充分な代表性を持つことが考えられるため、フィールド変更は本研究の遂行上支障はないと思われる。北九州市では3歳児の集団検診は実施されていないため、地元小児看護学研究者の協力を得て、「保育園看護学習会(月2回19時〜21時)」に参加し、小児保健に関心の高い保育所(園)の先生とのラ・ポール構築から開始した。数ヶ月間参加した後、筆者が「乳幼児の下痢」について講演した(2005年11月22日、12月20日)。講演ではロタウイルス胃腸炎の外来罹患数やその危険性、対処方法等を説明した後、途上国(ネパール)での下痢死亡乳幼児の多さを紹介した。そして世界の乳幼児のためにロタウイルスワクチン導入の検討が必要なこと、ワクチン導入には下痢症入院歴のデータが必要である旨を説明し、質問紙調査への協力を依頼した。仲介者とキーパーソンの園長の協力により社会福祉法人北九州市小倉社会事業協会に所属する7つの保育所(園)、1,100名の乳幼児を対象とした「ロタウイルス下痢症による入院調査」が可能となった。質問項目、内容、言葉遣い等を保育所(園)側と検討を重ねた上で、保育所(園)の行事が少ない2006年1月中旬に担任教諭から保護者に調査用紙を手渡しクラス別、保育所(園)ごとに回収、1月末にすべての質問紙の回収を終了した。回収率は92%(1,018名分)であった。結果、下痢を原因とする入院は約7.2%であり、入院歴のある乳幼児の半数弱がロタウイルス胃腸炎によるものであった。現在はすべてのデータベース化を完了させ、さらに詳細な分析を行なっている。
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