2007 Fiscal Year Annual Research Report
耐糖能異常が及ぼす血管内皮機能障害とその修飾要因に関する疫学研究:明日香村研究
Project/Area Number |
17590551
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
斉藤 功 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90253781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 義彦 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (90388801)
森脇 千夏 別府大学, 食物栄養学部, 講師 (90280289)
|
Keywords | 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 疫学研究 / 耐糖能異常 |
Research Abstract |
本研究は、循環器疾患予防に向けた血管内皮機能評価と耐糖能異常を含むリスク要因との関連について検討することを目的とした。最終年度は、本研究の対象地域である奈良県明日香村において栄養調査を含むフィールド調査を行い、これまでの調査結果と併せ、データ解析と最終的な分析のまとめを行った。栄養調査は簡易食物頻度調査(BDHQ)を用い、インスリン抵抗性との関連を検討した。対象者633人の分析の結果、インスリン抵抗性と栄養素摂取状況、エネルギー摂取との関連は認めなかった。ショ糖摂取量はインスリン抵抗性が高くなるにつれ有意に増加した。栄養比率では、脂質エネルギー比が有意に低くなり、糖質エネルギー比が高くなった。食品群別摂取状況でみると、インスリン抵抗性が高くなるにつれ、卵、野菜の漬け物、小麦製品、そばや麺スープの摂取量が有意に高く、刺身や天ぷらの摂取量が有意に高かった。また、ショ糖が高くなる原因として、ジュースの摂取量が有意に増加しており、これらはインスリン抵抗性の低い群の2倍程度であった。食生活状況について検討したところ、インスリン抵抗性が高くなるにつれ、漬け物摂取や食事速度、満腹するまで食べる習慣があるものの割合が高くなった。さらに、ライフコーダを用い、消費エネルギー量の比較を行ったところ、インスリン抵抗性が高くなるにしたがって消費エネルギーは有意に低くなり、摂取エネルギーより有意に300kcal程低かった。インスリン抵抗性が高くなる食生活として、糖質に偏った食事や早食いなどの食習慣が関連しており、身体活動量の減少がさらに影響していると考えられた。
|
Research Products
(2 results)