2006 Fiscal Year Annual Research Report
研修医による医療事故防止のための職場環境改善チェックリスト作成に関する研究
Project/Area Number |
17590555
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
下光 輝一 東京医科大学, 医学部, 教授 (90206243)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山科 章 東京医科大学, 医学部, 教授 (60317831)
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 助教授 (30246285)
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
大谷 由美子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00074724)
高宮 朋子 東京医科大学, 医学部, 講師 (40366133)
|
Keywords | 医療事故 / 研修医 / 職場環境改善 / 指導医 / ストレス / アクシデント / インシデント |
Research Abstract |
本年度は、研修医ストレス調査票および指導医調査票を完成し、これを用いた無記名調査を研修医及び指導医を対象に4医療機関において実施した。研修医調査では、275名に配布し133名より回収(回収率48.4%)、指導医調査では、556名に配布し312名より回収(回収率56.1%)した。 研修医調査では、20歳代が78.9%、研修1年目38%、2年目が32.%を占め、週の平均労働時間は75.8±21.9時間、月の平均当直回数は4.5±1.7回であった。ただし、会議は除かれるがカンファレンスや自分の勉強を含んでおりすべてが動務・労働しているわけではないことを明記しておく。研修医が過去6ヶ月間に経験したアクシデントまたはインシデントは、処方箋の誤りが最も多く62.2%、次いで、情報管理46.4%、点滴46.0%、検査42.9%.処置30.8%であった。これらのアクシデントまたはインシデントと関連があると回答された事項では、確認不十分、観察不十分、知識不足・誤り、手技の未熟さ、自分の勉強不足と回答する者が多かった。研修医がストレスと感じる状況は、期待されている役割が果たせていないと感じる時、患者の治療にあたりミスしないかと感じる時、など知識・技能の欠如の自覚に関するものが上位を占めた。その他、職業性ストレス簡易調査票の結果では、仕事の質的負担、身体的負担が高く、仕事のコントロール、技能活用が低く、疲労、不安、抑うつ、身体愁訴得点が高かった。疲労蓄積度自己診断チェックリストの結果では、自覚症状と勤務状況の評価の結果、総合判定において負担度が非常に高いと判定される人数が14%と多かった。 指導医調査では、自分の指導する研修医が経験したアクシデントまたはインシデントと関連があると回答された事項は、確認不十分、観察不十分、知識不足・誤り、手技の未熟さに加え、情報・情報伝達がシステム上不十分であったと回答する者が多かった。 また本年度は、研修医ストレス調査票、指導医調査票の調査結果より、ヒヤリハット危険予測判定図及び職場環境改善のためのチェックリストの作成に着手した。
|