2007 Fiscal Year Annual Research Report
研修医による医療事故防止のための職場環境改善チェックリスト作成に関する研究
Project/Area Number |
17590555
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
下光 輝一 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (90206243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山科 章 東京医科大学, 医学部, 教授 (60317831)
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 准教授 (30246285)
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
大谷 由美子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00074724)
高宮 朋子 東京医科大学, 医学部, 講師 (40366133)
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Keywords | 医療事故 / 研修医 / 職場環境改善 / 指導医 / ストレス |
Research Abstract |
前年度までに、ヒアリングによる情報収集等を経て、研修医仕事ストレス調査票を作成し、これとあわせて勤務状況、生活習慣、医療に特化しない職業性ストレスの調査票等を用いた質問紙調査を実施した。研修医の労働の実態とストレスについての検討を行うことによって、医療事故と密接に関連する研修医の仕事ストレス要因とストレス状態について明らかにした。また、研修医のインシデント・アクシデントの発生に関連する指導医の勤務状況や仕事のストレス等についても検討した。 これらの結果より、本年度は、研修医による医療事故防止に資する職場環境改善を目的とした、指導医が使用する簡便なチェックリストを作成した。某大学病院において、医行為の実施がある診療科を単位として指導医を無作為に介入群(130名)と対照群(131名)に割付し、介入群にはチェックリストを携帯し指導にあたることを指示した。チェックリストの1ケ月の使用の前後で、両群に質問紙調査を実施しその効果を検証した(回収率69%)。その結果、「指示を、研修医に復唱・確認させているか」、「内服薬の名称・用量・用法・アレルギーの有無等、研修医に2回以上確認させているか」、「点滴・注射の指示に誤りがないか、研修医に2回以上確認させているか」等の項目で、介入群のみに有意な改善方向へのシフトが認められた。また、指導医は週に何回かはチェックリストを見、配布により指導医としての意識が高まり、チェックリストを使うことが研修医によるミスを減らすことにも役立つと回答しており、その有用性が確認された。今後、病院内リスクマネージメントシステムのツールとして導入し、多職種においても適用可能なチェックリストへと展開していくことも検討したい。
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Research Products
(1 results)