2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590556
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 助手 (00349466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下光 輝一 東京医科大学, 医学部, 教授 (90206243)
永富 良一 東北大学, 医学部, 教授 (20208028)
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
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Keywords | 身体活動 / 環境 / 予防医学 / 社会医学 |
Research Abstract |
1.目的 身体活動の推進は公衆衛生学・健康科学の重要課題の一つである。本研究の目的は日常生活の歩数に影響を与える環境要因を明らかにすることである。初年度の目標は、(1)評価質問紙の作成、(2)質問紙の試用、(3)フィールド調査の準備、(3)地理情報システム(GIS)の活用に関する検討、であった。 2.方法・結果 (1)先行研究を検討し、欧米で活用されているNeighborhood Environment Walkability Scale (B.Saelens et al.,2003)をベースに尺度を作成した。英語版の作成者らと内容を十分確認した上で、日本語への翻訳、英語への逆翻訳を行った。また、日本の状況に合わせて、質問の削除、追加を行った。最終的に「住居密度」「混合土地利用」「商店等の目的地へのアクセス」「道路の連結性」「歩道・自転車道の整備状況」「美観」「交通の安全」「犯罪の安全」を評価する質問紙を完成した。 (2)計画を一歩進め、小規模調査により質問紙の信頼性を検討した。地域住民163名(男性41.6%、年齢23-69歳)を対象に調査を行い、このうちの77名については再テスト法による信頼性を検討した。その結果、各項目の級内相関はr=0.79からr=0.96で良好だった。欠損やはずれ値についても検討を行い、一部、ワーディング、質問項目を整理した。 (3)上記調査の経験より、調査実施上の注意点を抽出し、来年度の計画に生かした。 (4)GIS評価は、欧米では、(1)住居密度、(2)道路の連結性、(3)混合土地利用、(4)商店床面積比などが評価され、身体活動量や肥満との関連が示されている。このうち(1)(2)(3)は、日本でも類似する情報へのアクセスが比較的容易であり、評価指標として活用できる可能性が確認できた。 3.来年度の展望 作成した質問紙を用いて地域住民の調査を行い、環境と歩数の関連を検討する。
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