2007 Fiscal Year Annual Research Report
身体障害者および精神障害者のライフコースと障害受容に関する比較研究
Project/Area Number |
17590558
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
藤城 有美子 University of Human Arts and Sciences, 人間科学部, 講師 (40318283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城川 美佳 東邦大学, 医学部, 助教 (10177785)
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Keywords | 身体障害 / 精神障害 / 障害受容 / ICF / 質的研究 / 障害時期 |
Research Abstract |
本年度は下記のことを行った。 (1)平成17年度までに得られた質問紙調査についてさらに詳細な分析を行い,精神障害者と身体障害者の比較検討を行った.(2)精神障害者の心身の状態,活動性,社会参加,社会参加満足度,生活満足度の経過(VAST)について詳細に分析した.(3)精神障害者と身体障害者の障害および満足度の経過を比較検討した.(4)精神障害者の面接調査のデータ(プレ・インタビュー以外の6人分)を,Long Interview法を用いて解析した,(5)面接調査について2種類の結果を示した.1つめはGrand Tour QuestionsやFinal Questions,Additional Questionsへの回答を量的に分析したものであり,2つめは質的研究の手法であるEditing Approach(Constant Comparative Method)を用いた分析であった.(6)精神障害者の面接調査の結果を,身体障害者の面接調査の結果と比較検討した.(7)報告書を作成した. 障害および満足度の経過については,脊髄損傷では受傷後約10年間,明確な回復期があった.心身の状態と活動状況がほぼ同様に推移し,社会参加状況と社会参加満足度と生活満足度がほぼ同様に推移していた.ポリオについては発症30年後に心身の状態が低下し始め,それを後追いする形で活動状況と社会参加状況が低下していた.社会参加満足度と生活満足度が同様の推移を示していた.統合失調症については,発症後の回復期が不明瞭で,心身の状態と活動状況が一致していなかった.社会参加状況,社会参加満足度,生活満足度の上昇し始める時期にズレがあった.いずれの障害においても,生活満足度は上昇していた.面接調査の分析結果から,生活満足度の上昇に関わる要件には,障害の原疾患に固有のもの,障害の種別に固有のもの,障害時期に固有のものがあることが考察された.
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