2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロダイゼクタを用いた、突然死事例における脳組織のミトコンドリアゲノム解析
Project/Area Number |
17590573
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本田 克也 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00240789)
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Keywords | 微量元素 / ミトコンドリアDNA / 脳 / ヘテロプラスミック変異 / 加齢変化 / 銅 / カドミウム |
Research Abstract |
平成20年度は研究の最終年度であるので、病理学的変化として、明らかなウイルス感染の所見が見られる検体においては、血液、髄液や脳組織等の微量元素分析とミトコンドリアDNA変異との関連性の有無について検討した。それを基礎にして本研究の最終目的である突然死事例について、乳幼児、成人、老人例のそれぞれについて、ミトコンドリアDNA変異や微量元素分布についての解析を行った。 その結果以下のことが明らかになった。特に脳組織に異常が見られた事例においては、微量元素のうちCuの蓄積が大きい変化が見られ、ミトコンドリアDNAのヘテロプラスミック変異が多重化しており、これは高齢者ほどに大きくなることが明らかになった。健康人の脳解析からはミトコンドリアDNAのヘテロプラスミック変異は0.5%内外の頻度で発生していることも判明した。また腎疾患患者にはCdが蓄積される傾向があるが、この様な症例では同時に脳の病理学的変化の度合いが大きいことが明らかになった。肝疾患患者においてもCuの蓄積は何らかの病理的変化を伴うことが多いが、Pbの蓄積とは並行していないことも明らかになった。 研究成果については国際雑誌を中心として論文を投稿しているが、日韓地域看護学会等においても、慢性疾患の長期管理の指標として微量元素解析が有用であることを報告した。また、研究期間終了後も本研究と関連する国内外の学会や研究発表には積極的に参加し、広く最新の知見を集めるとともに、研究成果の発表を行う予定である。
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Research Products
(5 results)