2006 Fiscal Year Annual Research Report
ABO式血液型遺伝子上流域に認められた新たな転写の解析とその役割の検討
Project/Area Number |
17590575
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
畑 由紀子 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教務職員 (30311674)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 久夫 , 教授 (90171579)
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30205512)
|
Keywords | ABO式血液型遺伝子 / アンチセンスRNA / 転写制御 |
Research Abstract |
ABO遺伝子上流域について転写の有無を調べたところ、-1165/+566にわたる転写産物が認められた。Strand specific RT-PCRを用いて転写の方向について調べたところ、ABO遺伝子に対して逆向きの転写であった。RACEシステムを用いて転写産物の5'、3'末端を検索したところ、+600付近から-1300付近におよぶ全長約1.9kbでイントロンを含まない転写産物であることが明らかとなった。 ABO遺伝子に対するアンチセンスRNAは、ABO遺伝子の転写産物と5'末端で一部オーバーラップしていることから、転写産物による二本鎖RNAの形成が推測される。まず二本鎖RNA形成後の細胞内反応による転写制御の一つであるDNAメチル化について、ABO遺伝子転写開始点付近を中心に検索した。アンチセンスRNA発現ベクターを作製しステーブルトランスフェクションを行ないbisulfite sequenceにより検索を行った。その結果、転写開始点付近のDNAメチル化状態には大きな変化は認められなかった。一方でアンチセンスRNAのover expressionによるABO遺伝子の発現量の変化及びsplicingパターンの変化について検討した。Real time RT-PCRを用いてABO遺伝子の発現量を測定したところわずかな増加がみられた。しかし、ABO遺伝子に認められるalternative splicingのsplicingパターンには変化がみられなかった。従ってアンチセンスRNAによるABO遺伝子の転写制御機構として、DNAメチル化やsplicingへの影響以外の他の制御機構の関与が想定された。
|
Research Products
(1 results)