2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管マーカーを用いた大脳基底核血腫の外傷性・内因性診断法の開発に関する研究
Project/Area Number |
17590581
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小片 守 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10152373)
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Keywords | 社会医学 / 脳・神経 / 細胞・組織 / 損傷 / アンギオテンシン・コンバーテイング酵素 / アミロイド・プレカーサー蛋白 / ニューロフィラメント / ミトコンドリア |
Research Abstract |
1.外傷性・内因性脳血腫の鑑別診断に関する軸索変化の基礎的検討:頭部外傷における軸索の経時的変化並びにその特異性を明らかにするために,頭部外傷例8例,対照例4例について免疫組織化学を用いて検討した。(1)Amyloid precursor protein, neuron-specific enolase:受傷後2〜6時間以上経過した外傷例のみに球状の軸索変化が検出された。(2)Neurofilament 160染色:新たに検討を加えたところ,受傷後2時間以上経過した外傷例に軸索変化が検出され,対照例には少数の陽性像のみ認められた。(3)Mitochondria染色:受傷後1日以上経過した外傷例の軸索変化が検出され,受傷から死亡までの時間を推定するために有用な方法と思われた。(4)Neurofilament 200染色:変化のある軸索のみならず対照例における変化のない軸索も検出され,軸索の全体像を検討するためには有用と思われた。(5)以上の検討結果から,特に今回neurofilament 160染色を加えることによって外傷性・内因性大脳基底核血腫の鑑別診断がより容易になることが示唆された。 2.血管マーカーを用いた大脳基底核血腫における内因性に特異的な血管変化の検討:外傷性・内因性の大脳基底核血腫各々5例ずつの血管変化を免疫組織化学を用いて検討した。まず,Angiotensin converting enzyme染色を行ったところ,外傷例1例,内因性2例の血管変化が検出され,もともと血管変化がある外傷例では外傷性・内因性血腫の別は判定困難と思われた。今後例数を増やして検討するとともにより鋭敏な血管マーカーを検索したい。
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