2005 Fiscal Year Annual Research Report
覚せい剤、コカイン、モルヒネ類の同時分析法の確立と実験動物を用いた併用時の解析
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17590585
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
斉藤 剛 東海大学, 医学部, 講師 (30266465)
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Keywords | アンフェタミン / コカイン / モルヒネ / 一斉分析 / GC-MS / 尿 / 血液 |
Research Abstract |
乱用薬物スクリーニングキットのTriageではアンフェタミン類においてエフェドリン、シュードエフェドリン、同じくモルヒネ類においてジヒドロコデインの存在によって偽陽性を示す。そこで本年度はこれら化合物と覚せい剤、コカイン、モルヒネ類とを一斉分析する方法の開発に重点をおいた。 分析装置は乱用薬物のスクリーニングが目的のためガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)を用いた。当該化合物のGC-MS分析には誘導体化が必要なため、これら化合物の誘導体化が一斉に行える試薬について検討した結果、ペンタフルオロプロパノールと無水ペンタフルオロプロピオニック(70:100)を用いる方法が最も優れていた。他のアシル化剤でも分析は可能であったが、分子量が大きくなるため一斉分析には適さない結果が得られた。次に尿からこれらの化合物を迅速に抽出する方法の検討を行った。その結果、ジエチルエーテル:クロロホルム(4:1)を用いて塩基性下で抽出する方法が最も早い結果が得られた。また、より高感度に分析が行えるよう加水分解の条件検討も行った。しかしながら、本法はコカインの代謝物が水溶性のため抽出できなかった。 次に、血液からこれら化合物を一斉に抽出する方法として固相抽出を検討した。種々の固相抽出用カラムを用いて検討した結果、オアシスMCXを用いる方法が最も簡便で良好な結果が得られた。その結果、尿では抽出できなかったコカインの代謝物も同時に抽出可能となり、抽出時間も比較的短時間であった。 各々の抽出方法についてバリデーションを行い、分析精度を求めたところ共に良好な結果が得られた。本法は法中毒および臨床における薬物分析実務においても十分有効な方法であると考えられた。 なお、尿からの抽出方法に関しては2005年日本中毒学会で発表し、現在投稿中であり、血液からの抽出方法に関しては投稿準備中である。
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