2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590598
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
嶋田 裕之 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90254391)
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー病 / 糖尿病 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
本研究においては、高齢糖尿病患者を対象に、その認知機能を評価検討し、糖尿病性認知症(特にアルツハイマー型認知症でのMCIに相当する軽度認知機能障害)の患者を抽出し検討している。対象は当院糖尿病・内分泌内科に入院している65才以上の糖尿病患者のうち、糖尿病合併症の進行した患者、他の内科疾患を有する患者、そして痴呆性疾患、明らかな脳血管障害を有する患者を除外した後、本人の自覚症状の有無血糖コントロールは問わず、今年度は合計46例の患者が新規にエントリーされ、follow upした患者も含めのべ162例の患者において検査を行った。検査は心理士がMMSEとリバーミード行動記憶検査(RBMT)を行った。その結果新規患者46例中、MMSEが24点以上でRBMTのSPSが15点以下のいわゆるMCIに相当する患者は4例、MMSE24点以下、RBMTのSPSI5点未満の早期ADに相当すると考えられる患者が6例、MMSE、RBMTとも正常で認知機能障害を認めない患者が36名であった。全体数が103例の段階でデータをまとめて国際学会にて発表した(The 10th international Conference on Alzheimer's Disease and Related Disorders. July 15-20,2006,Madrid, Spain))。その時は正常72例、MCI9例、AD相当22例であった。この割合はすでにVan den Bergらの報告と合致するものであった。また我々のデータでは、血糖コントロールの指標であるHbAlcとRBMTのSPS、 MMSEは有意な負の相関が認められた。このことは血糖コントロールが認知機能に影響を及ぼしていることを示唆しているものと思われる。また昨年度からはアルツハイマー型認知症の診断の指標の一つと考えられている、Aβ1-40,1-42、リン酸化タウ蛋白を血漿中で測定するため、血漿保存を行ってきている。昨年度は24例で保存を行った。これに関しては倫理委員会の承認も得ており、本年度はこれらの測定を行い、最終的な解析を行う予定である。
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