2005 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞機能のアミノ酸依存性と肝癌患者における樹状細胞機能回復の試み
Project/Area Number |
17590609
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 記豊 東北大学, 病院, 助手 (70375004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 義之 東北大学, 病院・講師 (70282126)
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Keywords | 樹状細胞 / 肝硬変 / 分岐鎖アミノ酸 |
Research Abstract |
ヒト末梢血単球より、アミノ酸非含有無血清培地を基本として、GM-CSF,IL-4,TNF-α添加下に、アミノ酸濃度を様々に調整したオリジナル培地での樹状細胞培養法を確立した。すなわち、報告にあるような成熟樹状細胞の表面抗原のパターンに合致する樹状細胞の培養が、この培地によっても可能であることを確認した。 各種アミノ酸の内、分岐鎖アミノ酸は,樹状細胞の分化、成熟過程に重要な役割を有し、殊にバリンとロイシンの果たす役割が大きい。 即ち、in vitroでこれらのアミノ酸を除去すると、樹状細胞の回収率が低下し、成熟化の指標となる細胞表面抗原であるCD83,CD86の表出が低下し、リンパ球刺激試験においても、アロT細胞の刺激能が低下する。 また、ウェスタンブロットによる細胞内メッセンジャーの検討では、mTORが、特にバリンを除去したときに低下することも判明した。 一方、肝癌患者を含む肝硬変患者に於いては、健常者と比較し、様々な血清中のアミノ酸濃度の変化を認めているが、肝予備能の低下が進むにつれて、特に分岐鎖アミノ酸濃度の低下が著しく、同時にアロTリンパ球刺激能の低下を認めるなど,樹状細胞機能の低下も観察され、アミノ酸濃度の低下と樹状細胞機能の低下の相関が示唆されるが、実際これら肝硬変患者の樹状細胞において、バリンの濃度を上昇させることにより、低下している機能の回復がある程度得られることも分かった。
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Research Products
(1 results)