2006 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞機能のアミノ酸依存性と肝癌患者における樹状細胞機能回復の試み
Project/Area Number |
17590609
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上野 義之 東北大学, 病院, 講師 (70282126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 耕治 東北大学, 病院・助手 (20400476)
小暮 高之 東北大学, 病院・医員 (70400330)
|
Keywords | 樹状細胞 / 分枝鎖アミノ酸 / 自然免疫 / 肝不全 / 肝細胞癌 / 肝硬変 |
Research Abstract |
肝硬変を含む慢性肝疾患においては樹状細胞機能など免疫能の低下が報告されており、これは特発性細菌性腹膜炎などの感染症の合併につながったり、QOLの低下や生命予後の悪化につながると考えられ、更には肝細胞癌の発生・再発にも関与していると考えられる。したがって、こうした状況を打開していくためには、低下した免疫能を回復される種の方策が重要と思われるが、今回我々は樹状細胞機能の回復の上でアミノ酸が重要な役割を担っているという点に着目し、核腫アミノ酸、特に吻示唆アミノ酸の血球凝集阻止と樹状細胞機能における役割、そのメカニズムの検討を進めていくとともに、実際臨床の場面でどのアミノ酸が、あるいはどのアミノ酸の組み合わせが樹状細胞機能回復の上で有用であるかを、実際の肝硬変患者の末梢血から採取・誘導した樹状細胞を用いて検討し、臨床につなげていくことを目的とする。前年度の基礎検討により、分枝鎖アミノ酸が樹状細胞の生存と機能の療法に必要であることを見出した。特にバリンについては多くの生理作用を有していることが、表面マーカーの解析とリンパ球との混合培養といった点から明らかになった。 平成18年度は、更にその細胞内での機序を明らかにするため、mTORなどの分子に着目して、そのシグナル伝達いった点から検討した。 1)前年度確立した培養法を用いて、ヒト(健常者および肝疾患患者)より樹状細胞を分離して、様々なアミノ酸組成による培養を行うが、樹状細胞の成熟・分化の過程で、mTORや細胞内のリン酸化酵素の状態を、例えばp70 Kinase assayなどを用いて解析した。 2)慢性C型肝炎におけるインターフェロンを受けている患者における樹状細胞について検討し、アミノ酸がこれらの患者の樹状細胞にいかなる作用を持つかを検討した。 3)これらのアミノ酸投与による樹状細胞機能の回復がヒト肝癌の発症低下につながるかについて検討するための至適モデルの作成についての基礎検討をおこなった。
|
Research Products
(6 results)