2005 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉に基づいた新しい肝臓癌治療法についての基礎的検討
Project/Area Number |
17590617
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光井 洋 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30239280)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 稔之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30219571)
|
Keywords | RNA干渉 / 肝臓癌 |
Research Abstract |
AFPは臨床上は肝癌の腫瘍マーカーとして重要であるが、近年、細胞増殖に関与する働きがあることが報告されるようになり、AFPの抑制により癌細胞の増殖遅延が起きるかどうか検討した。 ヒト肝癌細胞株Huh7細胞を用い、AFP遺伝子から数種類の配列を選んで、si RNAを合成した。リポソームによる導入をおこない、細胞上清のAFPをELISAで測定し、また細胞からRNAを抽出しRT-PCRをおこなって、最もノックダウン効果の大きいものを選定した。このsiRNA(AFP)を用いて、細胞数の経時的変化やBrdUの取り込みを測定したところ、増殖を抑制する結果が得られた。現在、そのメカニズムを解明すべく実験を進めている。 一方、ストレスによって活性化されるMAPキナーゼJNKは、肝再生や肝発癌にも重要な働きをすることが報告されている。JNKのアイソフォームJNK1とJNK2に分けて、si RNA(JNK1,JNK2)を作成し、まずノックダウン効果を調べた。同様に、細胞増殖抑制効果を両者で確認できた。しかし、基質であるc-Junへの働きは異なっていた。 si RNA(AFP)とsi RNA(JNK1,JNK2)によるin vitroでの肝癌細胞増殖抑制が確認できたので、in vivoでの投与法の検討に入った。 ラット肝臓へのsi RNAの効果的な投与方法は、現在実験中である。投与経路としては、腹腔投与と経門脈投与をおこなって、尾静脈投与と比較する。リポソームやリピオドールとの混合の効果も検討する。 DENによる肝癌ラット作成と超音波による観察については、現在投稿準備中である。このモデルにsi RNAを投与して、肝癌の増殖抑制効果や発癌予防効果を検討する予定である。
|
Research Products
(2 results)