2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腸上皮におけるNotchシグナル機能と慢性大腸炎における上皮分化異常機構
Project/Area Number |
17590624
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡田 英理子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (20376784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 大輔 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (00376790)
土屋 輝一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40376786)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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Keywords | Notch / 慢性大腸炎 / 大腸上皮再生 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本研究は当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとぐ大きな研究成果が得られた。 1)活性型Notch、bHLH因子HES-1およびMath1の標的遺伝子群の網羅的解析においては杯細胞表現系を有する大腸上皮由来細胞株にcleaved Notch1及びHES1遺伝子がテトラサイクリン刺激において発現誘導する系を確立し、cleaved Notch1を誘導発現させたmRNAを用いマイクロアレイにて変化のあった遺伝子の単離に成功した。そのうちパネート細胞で発現している遺伝子が単離され実際にNorthern blot, RT-PCR解析によりNotchの発現誘導に伴いその遺伝子の発現増加を確認した。本年度はさらに解析を進め、cleaved Notch1を誘導発現した短時間での遺伝子発現解析を行ったところさらに新規標的遺伝子の単離に成功した(未発表データ)。これは幹細胞領域に発現している遺伝子でありNotchシグナルと幹細胞形質維持機構を密接に示唆するものであり、さらなる解析を進めている。 2)炎症性メディエーターによるNotchシグナル制御機構の解析においてはまずNotchシグナル活性化評価としてDNA結合部位であるRBPjkの結合配列を用いたレポーターアッセイを構築し、定量化に成功した。今後種々のサイトカイン、ケミカルメディエーター刺激によるNotchシグナルの影響と腸管上皮細胞表現系の変化を解析していく。 3)Notchシグナルの人為的制御による大腸炎治療の可能性の検討においてはまず正常ヒト大腸組織においてcleaved Notch, HES1,Math1,の発現部位を免疫染色法にて検討した。Notch, HES1は大腸粘膜の増殖帯にほぼ同一の部位に発現しているのに対し、Math1は絨毛の管腔側まで発現していることが明らかとなった。本年度はさらに潰瘍性大腸炎患者におけるcleaved Notch, HES1の発現を解析したところ正常人と比較しより管腔側まで発現が増加しており、腸管上皮分化障害と密接に関わる事を示唆した(未発表データ)。現在腸炎モデルマウスにおけるNotch阻害薬の効果を詳細に解析中である。
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