2005 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁酸受容体を標的とした消化器癌Chemopreventionの検討
Project/Area Number |
17590630
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
梶村 昌良 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40252184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金岡 繁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (00252172)
伊熊 睦博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00275108)
大澤 恵 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (10397391)
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Keywords | バレット上皮 / バレット腺癌 |
Research Abstract |
今回の研究目的は、バレット食道癌にいたるバレット上皮進展へのchemopreventionの可能性についての検討を行う。諸家の報告よりバレット上皮、バレット腺癌は、酸および胆汁酸の暴露により細胞増殖が誘導されることが示されている。今年度はバレット腺癌株であるSEG-1およびBIC-1細胞を胆汁酸であるコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸に暴露しMTTアッセイによる細胞増殖効果を検討した。5分間の胆汁酸暴露によりコール酸1000μMは有意な細胞増殖刺激効果を認め、胆汁酸の核内受容体であるfarnesoidX受容体アンタゴニストの存在下ではコール酸1000μMによる細胞増殖刺激効果は抑制された。現在、他の胆汁酸の細胞増殖刺激効果の検討中である。来年度にかけては、正常食道粘膜細胞、バレット上皮培養細胞における胆汁酸の細胞増殖に対する影響と胆汁酸およびfarnesoidX受容体アンタゴニストの細胞増殖に関連する細胞内情報伝達機構におよぼす影響を検討予定である。具体的には、1)食道粘膜細胞、バレット食道粘膜の培養細胞を用い、酸、胆汁酸暴露によるNFk-B、MAPKinase活性化とバレット食道粘膜の形質特徴である小腸型粘膜に特有なhomeobox転写因子cdx2発現を示すとともに、2)farnesoidX受容体(胆汁酸の核内受容体)アンタゴニストによるNFk-B、IkB kinase抑制、MAPKinase抑制とcdx2発現の抑制を示し、これによってfarnesoidX受容体アンタゴニストによるchemoprevenntionが可能であることを示したい。
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