2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生および肝発癌における転写因子ATBF-1の役割に関する研究
Project/Area Number |
17590636
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井戸 章雄 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30291545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都 浩文 宮崎大学, 医学部, 講師 (20347058)
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Keywords | 肝再生 / 肝発癌 / ATBF1 / 転写因子 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
ATBF1はαフェトプロテイン遺伝子のエンハンサー領域に結合する因子として単離された転写因子で、4個のホメオドメインと23個のZnフィンガー領域を併せ持つ分子量400kDaにおよぶ巨大なタンパクである。最近、ATBF1は神経分化、筋細胞分化や顆粒球分化において発現増強することが報告されている。 我々は、肝再生におけるATBF1の役割を明らかにすることを目的として、まずは、種々のprimerを用いてreal-time RT-PCRを用いたATBF1 mRNA発現側定系を確立した。本測定系を用いて、初代培養ラット肝細胞に肝細胞増殖因子(HGF)を添加し、ATBF1発現と細胞周期(cyclin D1及びBの発現)の経時変化を検討した。cyclin D1はHGF添加6時間後より発現が増強し、添加36時間後に最高となった。また、cyclin BはHGF添加後24時間まで発現レベルが低く、添加36時間後に一過性に発現増強した。一方、ATBF1はHGF添加6時間後に発現が低下しており、以後添加48時間までその発現レベルが持続した。さらに、Myc tagを持ったATBF1発現ベクターを作製し、初代培養ラット肝細胞に遺伝子導入後、ATBF1の細胞内局在と細胞周期の関係を検討したところ、ATBF1はHGF添加前から細胞質に局在し、HGF添加後48時間、ATBF1は細胞質に検出され、核内への移行はみられなかった。次に、in vivo実験系としてラット部分肝切除モデルを用いて、肝再生過程におけるATBF1発現の経時変化を検討した。肝臓におけるATBF1発現は肝切除後に一過性に減少し、以後徐々に増強した。肝再生過程におけるATBF1の細胞内局在と肝細胞増殖との関係は、免疫組織化学染色を用いて来年度も引き続き検討する。
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Research Products
(6 results)