2006 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎での肝線維化進行と宿主の機能的遺伝子多型との関連
Project/Area Number |
17590641
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村脇 義和 鳥取大学, 医学部, 教授 (90144659)
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Keywords | C型慢性肝炎 / 肝線維化 / 遺伝子多型 / MMP-1 / MMP-3 / IL-1B / IL-1RN / MMP-9 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎での肝線維化進行には、ウイルス側の因子と共に、宿主側の要因が挙げられその速度は患者間で大きく異なっている。宿主因子を明らかにするため、本年度はマトリックス分解酵素MMP-1(間質コラゲナーゼ)1G/2G、MMP-3(ストロメリシン-1)5A/6A、MMP-9(ゼラチナーゼB)T/Cとともに、線維化促進性サイトカインTGF-B1 +819 T/C、炎症性サイトカインIL-1B C/T、IL-1RN VNTRの遺伝子多型を解析し検討した。まず、C型慢性肝炎群とC型肝硬変群で遺伝子多型の頻度を比べた。その結果MMP-1とMMP-9では転写活性の高い遺伝子アレルを有するものが肝硬変で有意に多かったが、他の遺伝子多型では明らかな差は認められなかった。次に長期間(5年間)観察し得たC型慢性肝炎患者を肝線維化指標FibroIndexにより肝線維化速度緩徐群と迅速群に分けその遺伝子多型頻度を比較検討した。MMP-1、MMP-9、IL-1B、IL-1RNでは関連が認められなかったが、MMP-3とTGF-B1では、転写活性が高いとされているMMP-3 5Aキャリア、TGF-B1 +819 Tキャリアの割合が肝線維化速度迅速群で高いことが示され、これら遺伝子多型の解析が患者管理のうえで有用となる可能性が示唆された。なおMMP-2(ゼラチナーゼA)-1306 C/T多型をcross-SeCtionallyおよびlongitu dinallyに検討したが、肝線維化進行との関連は認められなかった。現在TIMP-1、TIMP-2の遺伝子多型解析に挑戦しているが、解析が難しく現時点では出来ていない。
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Research Products
(2 results)