2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌増殖抑制因子としてのビタミンKの分子機構と進行肝癌に対する有効性に関する研究
Project/Area Number |
17590646
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 功幸 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20379746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 良章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00314667)
白羽 英則 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40379748)
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Keywords | 肝細胞癌 / ビタミンK / 細胞増殖 / 癌転移 |
Research Abstract |
本年度は主に、ビタミンKの肝細胞癌細胞の増殖に与える影響についての検討を行った。この検討の中で、ビタミンK自体に細胞増殖抑制効果が認められるとともに、更にビタミンKは肝癌細胞のDes-gamma-carboxy prothrombinの(DCP)産生を抑制することを見出した。DCPは細胞表面レセプターのMetからJAK-STAT系を介して癌細胞の増殖を刺激しており、[^3H]-サイミジン取り込み能、MTT assayを用いた細胞増殖能の評価では細胞増殖を亢進させることが判明した。DCPは肝細胞癌cell lineの増殖を1.5倍(Hep3B)及び2.1倍(SK-Hep1)亢進させた。ウエスタンブロットによる検討により、DCPはMetおよびSTAT3のリン酸化を引き起こし、Met-JAK-STATシグナル伝達経路の活性化が細胞増殖亢進作用を引き起こしていることを確認した。シグナル伝達についてはRNA干渉の技術を用いて更に確認し、Met及びSTATのsiRNAはDCPのシグナル活性化を抑制し、DCPの増殖亢進効果もそれぞれ80%,67%抑制することが判明した。ビタミンKはDCPの産生を抑制し、Hep3BのDCP産生を85%以上抑制し、その結果として細胞増殖能の低下をもたらし増殖能を約50%低下させていることを基礎的検討において証明した。よってビタミンKの肝細胞癌増殖抑制機構が臨床的にも望める可能性が高いことが示唆された。
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