2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌増殖抑制因子としてのビタミンKの分子機構と進行肝癌に対する有効性に関する研究
Project/Area Number |
17590646
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 功幸 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20379746)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 良章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00314667)
白羽 英則 岡山大学, 助教 (40379748)
|
Keywords | 肝細胞癌 / ビタミンK / 細胞増殖 / 癌転移 |
Research Abstract |
本年度は、特に肝細胞癌の臨床的特徴とその治療・予後との関連についての検討を行った。肝細胞癌の血流評価には、腹部Dyanmic CTと造影超音波検査を用いた。 特に新規超音波検査用の造影剤であるソナゾイドを用いて、肝細胞癌の血管新生の状態とその予後との関連についての検討を行った。その結果、血流が多い肝細胞癌は、腫瘍系が大きい傾向が認められ、その臨床的特徴より、予後が不良になる傾向があることが判明した。前年度までの評価で、Des-gamma-carboxy-prothrombin(DCP)産生性の肝細胞癌では、vascular endothelial growth factor受容体(VEGFR)のシグナルが亢進し、血管新生を引き起こすことが判明している。これらのシグナル伝達経路として、DCPからの細胞表面受容体はVEGFRの一つであるKDRであり、その下流のシグナルは、phospholipase-C-gammaを介してMAPKを刺激することであることを確定した。このシグナルの活性化によって、血管内皮細胞の細胞増殖と細胞移動を共に亢進させることを確定した。肝細胞癌臨床検体の検討でも、DCP産生肝細胞癌は、組織上も血管新生が亢進している傾向が認められ、血管新生の強い肝細胞癌に対しては、ビタミンk投与をはじめとした治療によるDCPの産生低下が、血管新生を抑制する可能性が示唆された。
|