2005 Fiscal Year Annual Research Report
HCV長期持続感染肝細胞からの発癌に関係するタンパク質プロテオーム解析
Project/Area Number |
17590647
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高木 章乃夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80359885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 順 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90379743)
岩崎 良章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00314667)
|
Keywords | 肝細胞癌 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
【目的】今回我々はHCV陽性肝細胞癌患者手術で得た組織を用いて非癌部と癌部のタンパク質を二次元電気泳動法により分離、ディファレンシャルディスプレイ法により発現に違いのあるスポットを単離、MALDI-TOF-MSを用いたペプチドマスフィンガープリント分析法によって同定する。またHCV構成タンパク質をヒト肝癌細胞株に遺伝子導入することにより発現が変化するタンパク質も同様の方法で明らかにすることで、HCV感染そのものによるタンパク質変化と、感染後20年〜30年経過して癌化した組織におけるタンパク質変化の相違を明らかにすることができる。【方法】現在までに十分なインフォームドコンセントの後に約40例の肝細胞癌患者癌部、非癌部を-80℃で凍結保存している。培養肝癌細胞株にHCV構成タンパク質の遺伝子導入を行い、発現の変化するタンパクを同定する。【結果】HCV構成タンパク質(Core, NS2, NS3, NS4A, NS4B, NS3-4B, NS5A, NS5B)発現プラスミド及びHCV replicon細胞を作成した。これらHCVタンパク質の遺伝子導入にて発現が変化するタンパク質を同定するため、現在二次元泳動の調整を行っている。現在までにHCV-Coreタンパクの発現によりTNFα、Caspase8、p42/44 MAPKなどの細胞増殖・細胞アポトーシスに関与する様々なタンパク質の発現が亢進することが明らかになった。またHCV-NS3タンパクの発現によりHLA、LMP7などの免疫応答に関与するタンパク質の発現が亢進することが明らかになった。【今後の展望】更に肝細胞癌患者の癌部・非癌部組織を集め、二次元泳動が十分安定的に行えるようになったところで患者組織を使用して解析を行う。
|