2005 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変に対する免疫寛容誘導樹状細胞を用いた治療法の開発
Project/Area Number |
17590651
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
S・M・F Akbar 愛媛大学, 医学部, 講師 (90294793)
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Keywords | 制御性樹状細胞 / 原発性胆汁性肝硬変 / 免疫治療 / 抗ミトコンドリア抗体 |
Research Abstract |
樹状細胞(DC)は、病原体を抗原として認識し、抗原特異的にT細胞を活性化することによって病原体の排除にかかわる。しかし、近年、免疫寛容を誘導するDC(制御性DC)が作成され自己免疫疾患に対する新しい治療法となる可能性が報告された。特に原発性胆汁性肝硬変(PBC)は自己免疫疾患であるにもかかわらずステロイド治療は無効であり新しい治療法が必要とされている。本研究は制御性DCを用いたPBCに対する新しい治療法の開発を目的とする。 1.制御性DCの作成。制御性DCはマウス骨髄細胞をInterleukin(IL)-4、顆粒粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、IL-10、Lipopolysaccharide (LPS)またはFlt3-Ligandで培養し作成している。制御性DCのMHC class II,CD80,CD86,CD40などの細胞表面マーカーは、未熟DCに近い発現パターンであった。 2.制御性DCによる制御性T細胞の誘導。CD4+T細胞をFlt3-Ligandで作成した制御性DCで刺激したところ大量のIL-10を産生するいわゆるTr1細胞を誘導した。 3.制御性DCの投与。Preliminaryな実験として自己免疫性胃炎マウスに制御性DCを投与したところ自己抗体産生が抑制された。 今後、抗ミトコンドリア抗体の対応抗原であるPDCでパルスした制御性DCをPBCマウスモデルに投与し効果を確認する予定である。
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