2006 Fiscal Year Annual Research Report
HBs抗体産生を規定する樹状細胞の特性の解析と樹状細胞・B細胞系のクロストーク
Project/Area Number |
17590652
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
恩地 森一 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10112260)
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Keywords | 樹状細胞 / HBs抗原 / HBs抗体 / BAFF / 抗原パルスDC / 液性免疫 |
Research Abstract |
液性免疫誘導における樹状細胞(DC)の役割を検討する目的にて実験を行った。平成17年度は、マウスにてHBs抗原でパルスしたマウスHBs抗原特異的脾DCの作製に成功し、マウスHBs抗原パルス脾DC機能の解析、in vitro、 in vivoでの効果を検討した。平成18年度はヒトにおいてその効果を検討した。ヒト末梢血から、単核球由来DCを作製し、ヒト単核球由来DCと市販されているB型肝炎ワクチン(HBワクチン)を混合培養し、ヒトHBs抗原パルスDCを作製した。ヒトHBs抗原パルスDCは、非パルスDCと比較して、HLAや共発現分子が高く、より多くの炎症性サイトカインを産生することがわかった。このヒトHBs抗原パルスDCを健常ボランティアに投与すると、全例においてHBs抗体の産生を誘導することができた。また、一般のHBワクチン投与では抗体産生、抗体価の維持のみられないワクチン不応者においても抗体産生を誘導することができた。ヒトHBs抗原パルスDCの抗体産生機構を明らかにするため、B cells activating factor of tumor necrosis factor family (BAFF)に注目し、培養上清中のBAFF濃度を測定した。HBs抗原パルスDCは、非パルスDCより多くのBAFFを産生することがわかった。さらに、ヒトHBs抗原パルスDCを投与した健常人の末梢血中のBAFF濃度は、投与前より上昇していた。以上のことより、液性免疫の誘導に、抗原提示細胞によるBAFF産生経路が関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)