2005 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変における胆管の抗原提示細胞や標的細胞としての役割の解明
Project/Area Number |
17590657
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下田 慎治 九州大学, 医学研究院, 助手 (30279319)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / T細胞クローン / 胆管上皮細胞株 |
Research Abstract |
肝臓移植時の摘出肝臓より胆管上皮細胞株(BEC)の分離、継代培養を行った。現在までに原発性胆汁性肝硬変(PBC)より7例、コントロールとしてC型肝硬変より8例継代培養が可能となった。 自己抗原(ピルビン酸脱水素酵素E2コンポーネント(PDC-E2)163-176)反応性T細胞株の樹立、培養を行った。現在までに7名のHLA-DR53陽性PBC患者より9株、コントロールとして4名のHLA-DR53陽性健常者より8株が継代培養可能となった。 PDC-E2 163-176反応性T細胞クローン(TCC)がBECを認識し、細胞傷害活性を持つことの確認を行った。BECの分離、継代培養が可能であったうち、7例のPBC症例のうち4例ならびに8例のコントロール中5例でHLA DR53陽性であった。これらのHLA DR53陽性者由来のBECはIFN-γによる前処置でHLA DRの発現を認め、PDC-E2 163-176をパルスした場合、全てのBECがTCCの標的細胞となりえた。この際にBECをPBC由来とコントロール由来でわけて比較検討した結果、標的細胞の由来によって標的細胞としての感受性に差はなかった。またTCCをPBC由来とコントロール由来でわけて比較検討した結果、TCCの由来によって細胞傷害活性に有意差はなかった。 BECにTLRからの刺激を入れた場合(TLR 2への刺激としてリポタイコ酸(LTA)、TLR 4への刺激としてリポポリサッカライド(LPS))側副刺激をはじめとする免疫を修飾する可能性のある細胞表面分子の発現は明らかとはならなかった。
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