2005 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌におけるES細胞特異的Ras,ERasの機能解析および新規抗癌剤治療への応用
Project/Area Number |
17590666
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
片岡 洋望 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40381785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 卓志 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30231369)
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70212462)
大原 弘隆 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80285212)
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Keywords | 胃癌 / ES細胞 / ERas / Ras / CPT-11 / アポトーシス / 抗癌剤感受性 / 接着因子 |
Research Abstract |
1.胃癌におけるERas蛋白発現の検討 9種類の胃癌細胞株MKN28,MKN45,MKN78,KATOIII,GCIY,AGS,HGC-27,NUGC-4,ISt-1および外科的切除ヒト胃癌組織4症例についてWestern blot法を用いてERas蛋白の発現を検討した.胃癌細胞株では9種類すべての細胞で,ヒト胃癌組織では4症例中3症例でERas蛋白の発現を認めた. 2.ERasの機能解析 胃癌細胞株GCIYの遺伝子導入によりERas強制発現株を樹立し,ERasの機能解析を行った. (1)ERasの細胞内シグナル伝達への関与 腫瘍の増殖や生存に重要とされているPI3k/Akt,MAPKの2つの細胞内シグナル伝達へのERasの関与について検討した.ERas強制発現によりPI3k/Akt系は活性化されたが,MAPK系は活性化されなかった. (2)ERasの腫瘍増殖能に与える影響 細胞増殖をMTS assayで測定した.ERas強制発現は胃癌細胞株GCIYの増殖活性に影響を与えなかった. (3)ERasによる抗癌剤感受性への影響 胃癌の治療に用いられている4種類の抗癌剤,CDDP,5-FU,CPT-11,PaclitaxelについてERas強制発現による抗癌剤耐性能の変化について検討した。ERas強制発現によりCPT-11に対する耐性能が有意に増強した(IC50:ERas強制発現株166±20μM,コントロール83.5±8.6μM,p<0.01).さらにCPT-11に誘導されるアポトーシスについてcaspase-3活性を測定し評価したところ,ERas強制発現により有意にCPT-11によるアポトーシスが抑制された これまでの学会,研究会報告-- 第16回消化器癌発生学会総会. パネルディスカッション.胃癌におけるERas発現の意義:抗癌剤耐性能の検討. 久保田英嗣,片岡洋望,浅井清文,城 卓志. The 4th Japan GRG/AGA Symposium. Role of Eras in gastric cancer cells Eiji Kubota, Hiromi Kataoka, Kiyofumi Asai, Takashi Joh 第2回日本消化管学会総会. 胃癌におけるES細胞特異的Ras,ERasの役割. 久保田英嗣,片岡洋望,浅井清文,城 卓志.
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