2006 Fiscal Year Annual Research Report
トレフォイル・ペプチドによる消化管疾患の予防・治療に関する基礎的検討
Project/Area Number |
17590673
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
平石 秀幸 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00199035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 忠人 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (10206170)
米田 政志 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30261407)
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Keywords | TFF / 消化管粘膜 / 創傷治癒 / 発現調節 |
Research Abstract |
本研究は、消化管粘膜上皮で産生・分泌され、強力な消化管粘膜保護作用を有しているトレフォイル・ペプチド(TFF)の臨床的な応用の可能性について検討を行うことを目的としている。平成17年度においては、特に、TFF inducerの臨床的応用を念頭においた解析を行い、内因性のTFF発現を上昇させる諸因子について検討を行った。ヒトにおいてはPPARγリガンドが胃粘膜上皮細胞においてTFF2の発現を誘導することを見出したが、TFF2遺伝子上流配列にPPAR応答領域が認められるのは、ヒトのTFF2遺伝子のみなので、PPARγリガンドによる胃粘膜保護効果については、ヒトと動物実験モデルにおいて結果に乖離が生じる可能性が考えられた。TFF2とともに胃粘膜で高発現しているTFF1については、乳癌細胞など他の細胞系でエストロゲンがTFF1発現に中心的な役割を果たしていることが知られているので、胃におけるTFF1発現に対するエストロゲンの影響について詳細な検討を行った。その結果、胃粘膜上皮細胞ではエストロゲン受容体(ER)の発現(主としてERβ)はあるものの、TFF1発現はエストロゲンの影響を全く受けないことが明らかとなった。また、NF-κBを介する炎症刺激のシグナリングがTFF発現に及ぼす影響を検討し、TFF1の発現レベルがTNF-α等の炎症性サイトカインにより上昇することを見出した。さらに、次年度にin vivoでのリコンビナントTFFペプチドによる治療、あるいはTFF遺伝子導入治療の試みを予定しているため、TNBS惹起大腸炎モデル等、動物実験モデルについての予備的検討を行った。
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Research Products
(11 results)