2005 Fiscal Year Annual Research Report
大腸上皮上のB7h発現制御によるホメオスタシス維持と新しい炎症性腸疾患治療の開発
Project/Area Number |
17590676
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中澤 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90255456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 大腸上皮 / 制御性T細胞 / ホメオスタシス / B7h / 抑制性CD8^+T細胞 / 免疫統御療法 / Cbl-b |
Research Abstract |
1.T細胞の活性化における大腸上皮上B7hの機能的役割 我々が確立したより感受性の高いCFSE staining systemを用いて、T細胞は大腸上皮細胞と共培養することにより有意に活性化されることを証明し、細胞増殖能の検討における同systemを確実なものとした。さらに、大腸上皮細胞とT細胞の共培養の系に抗B7h抗体およびB7h-fusion proteinを共培養開始時に添加し、T細胞の活性化を抑えて、B7h分子の制御性機能を明らかとした。 2.大腸上皮細胞により活性化されたT細胞下流シグナル伝達の解明 上皮細胞と共培養したT細胞からprotein lysateを抽出し、抗Cbl-b抗体で免疫沈降後に抗phospho-tyrosine抗体によるwestern blottingを施行し、大腸上皮と共培養したT細胞の活性化はCbl-bのリン酸化を介していることを証明した。さらに、活性化T細胞の下流シグナルであるMAPKの関与については、抗phospho-p38,Erk抗体を用いたwestern blottingにより、phosphor-p38、phospho-Erkが検出されて、上皮細胞と共培養iした制御性T細胞の活性化においてp38、Erk両分子の活性化の関与が証明された。 3.大腸粘膜内抑制性CD8^+T細胞の検討と炎症性腸疾患の病態への関与 これまで我々はCD8^+T細胞の抑制性機能について検討してきた。今回、特に健常者より単離した粘膜固有層リンパ球(LPL)のなかでCD8^+T細胞が、T細胞とnon-T細胞のMLRにおいて細胞増殖を抑制することを証明した。一方、炎症性腸疾患患者のCD8^+T細胞LPLはこの抑制性機能を認めないことも示した。以上の結果より、大腸上皮細胞誘導の制御性T細胞と同様に、抑制性CD8^+T細胞の観点より炎症性腸疾患の病因に迫ることが可能となり、新規治療法の開発に繋がるものと考える。
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Research Products
(4 results)