2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎モデルマウスを用いた腸炎発症におけるヒト腸内フローラの関与の追究
Project/Area Number |
17590677
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 詠 Keio University, 医学部, 講師 (00232546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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Keywords | モデルマウス / 慢性腸炎 / フローラ / Germ-free / 炎症性腸疾患 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
炎症性腸疾患は難治性の慢性炎症疾患であり、いまだその病態は明らかとなっていないが、腸管局所の免疫反応の異常がその原因の一つとして想定されている。一方、抗生物質の投与で軽快することや各種の実験腸炎動物モデルでは無菌環境下では腸炎を発症しないことから,炎症性腸疾患の病因に腸内細菌は深く関わっている事が示唆され、通常は経口免疫寛容の状態にある腸内常在細菌に対する免疫反応が過剰に反応することが慢性腸炎発症のトリガーであると考えられている。これまでにIL-10ノックアウト(KO)マウスではマクロファージ(Mφ)が腸内細菌に反応しIL-12/23を高産生することを明らかにしたが、今回IL-10KOマウスにおいてMφ・樹状細胞(DC)が, Th1/Th17バランスを如何に制御しているのか検討を行った。IL-10KOマウス大腸においてIFN-γ、IL-17の産生がともに冗進していた。骨髄由来Mφ・DCはともに細菌抗原に反応しIL-12/23を高産生することが確認され、この培養上清をCD4+T細胞に加えて刺激すると産生されるIFN-γ、IL-17がともに著明に増加したが、ナイーブT細胞からの分化過程においてはDC/Mφの培養上清を加えるとTh1のみが誘導された。これらの影響は培養上清中のIL-10に依存するものではないことも確認できた。 これらの結果より、IL-10KOマウスMφ/DCは炎症腸管局所ではT細胞からのTh1/Th17双方のサイトカイン産生を誘導している一方で、分化過程においてはTh1誘導に働いていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)