2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590690
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
芳川 一郎 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 大学病院, 准教授 (60210655)
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Keywords | 胃食道逆流症 / チューインガム |
Research Abstract |
1)ガムに含有させる物質の選択-重曹か炭酸Caか?- ガム使用後5分間隔計30分間の唾液を採取し、唾液検査を行ったところ炭酸Ca含有ガムの唾液pH上昇効果は重曹含有ガムと比較して短時間であった。従って胃食道逆流症の治療には、重曹含有ガムが相応しいと考えられた。 2)重曹含有方法の選択-中心部に重曹を含有させた丸型ガムか重曹を全体に練りこんだ板型ガムか?- ガム使用後5分間隔計30分間の唾液を採取し、唾液検査を行った。酸中和能(本研究ではpHを4に低下させるために必要な0.1N HClの滴定量を酸中和能と定義した。)は、板型ガムが丸型ガムよりもよりも強かった。従って胃食道逆流症の治療には、板型ガムが相応しいと考えられた。 3)重曹ガムは実際に食道内pHを上昇させるか? 健常ボランティア6名において食道内pHを検討した。ガム使用前の平均食道内pHは6.3であった。重曹を含有していないコントロールガム使用後30分間の平均食道内pHは6.6、重曹ガム使用後30分間の平均食道内pHは7.5であった。統計学的に有意な上昇であり、重曹ガムの食道内pH上昇効果を確認した。 4)胃酸逆流時においても重曹ガムは効果を有するか? 食道内に0.1N塩酸20mlを投与することにより胃酸逆流状態である食道内pH低下状態をつくった。10秒間隔で嚥下運動を行い、食道内pHが4に上昇するまでの時間を食道クリアランス(秒)とし、健常ボランティア6名においてガムなし、コントロールガム使用、重曹ガム使用下で検討した。平均食道クリアランスは、ガムなし80秒、コントロールガム44秒、重曹ガム30秒であった。重曹ガムは食道クリアランス能を有意に上昇させ、食道下部の酸暴露時間をガムなしと比較して62%短縮させた。 5)まとめ 重曹ガムは胃食道逆流症の治療オプションの一つになると考えられた。
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Research Products
(1 results)