2005 Fiscal Year Annual Research Report
心房内皮抗凝固機能とToll like receptorの役割
Project/Area Number |
17590701
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
橘 英忠 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (90344796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 助教授 (40272067)
野崎 直樹 山形大学, 医学部, 助手 (50333951)
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 助手 (40359568)
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Keywords | 心房細動 / 心内血栓 / 心房内皮 / 凝固因子 / 抗凝固因子 / 内皮型NO産生酵素 |
Research Abstract |
心房細動は心房内血栓を生じ、脳血栓塞栓症などの血栓塞栓症の原因疾患として、高齢化社会の到来とともに、ますます重要な疾患となっている。一方心房細動患者すべてで血栓塞栓症が生じるわけではない。非弁膜症心房細動患者における左房内血栓の危険因子として、心不全、冠動脈疾患、心機能低下、高血圧、糖尿病および高齢などが知られている。血管内血栓症において、血流減少、凝固能亢進の他に、内皮機能不全が重要な役割を果たすと考えられている。近年、心内血栓形成においても心房内皮機能不全の関与が示唆されている。また心房細動患者の心房筋で炎症が見られるという報告がある。我々は、心房細動患者でhigh sensitivity CRP上昇が見られ、これが左房拡大、心房細動の持続時間と相関することを報告した(Heart Vessels. 2005;20:45-49)。これより心内血栓形成にも炎症が関与している可能性がある。内皮細胞の機能不全は動脈硬化の初期病態として知られているが、血栓形成にも関与している。炎症性サイトカインTNFαは内皮型NO産生酵素の減少と内皮アポトーシスを惹起する。我々は、アンギオテンシシ受容体拮抗薬ARBが内皮のアポトーシスを抑制することを報告した(Circulation. 2005;112:1798-1805)。近年心房細動に対するアップストリーム治療としてARBの有用性が認識されていることにも一致すると思われる。大動脈バンディング心不全モデルにおいて高頻度に心内血栓が観察される。このモデルを用い心内血栓形成における心房内皮機能の関与について、内皮型NO産生酵素の発現、抗凝固因子と凝固因子の発現などを検討中である。またToll like receptor(TLR)2、TLR4を介する炎症の関与を、TLR2またはTLR4ノックアウトマウスを用いて検討している。
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