2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞内脂質代謝とシグナル伝達制御による心臓リモデリング抑制
Project/Area Number |
17590702
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 助教授 (40272067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Keywords | cell signaling / remodeling / protein kinase C / diacylglycerol kinase / G protein / myocardinal infarction / heart failure / hypertophy |
Research Abstract |
Gq蛋白共役型受容体刺激によりジアシルグリセロール(DAG)が生じ、DAGはprotein kinase C(PKC)を活性化する。ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、DAGをリン酸化(不活性化)してホスファチジン酸へ変換し、細胞内DAG量を調節することで、細胞内シグナル伝達を制御しうると考えられている。本研究では、DGKζ遺伝子を心臓にのみ選択的に発現したトランスジェニックマウス(DGKζ-TG)を用いて、DGKζが心筋梗塞後のリモデリングを抑制するかを検討した。 DGKζ-TGと野生型(WT)マウスの冠動脈左前下行枝を結紮し、心筋梗塞を作成した。術後1週と4週に心エコーを行い、エコー後マウスを屠殺し心臓を摘出した。DGKζ-TGマウスではWTマウスと比較し、梗塞1週後と4週後の左室拡張末期径は小さく、左室収縮率は保持されていた。4週後の左心室重量、右心室重量、肺重量は低値で、DGKζ-TGマウスでは心筋梗塞後の心室リモデリングは抑制された。また、DGKζ-TGマウスでは4週後の生存率も有意に高かった。WTマウスで認められた左室非梗塞部のPKCα、PKCεの活性化はDGKζ-TGマウスでは抑制された。左室非梗塞部の線維化率はDGKζ-TGマウスで低く、transforming growth factor-β1、collagen type-1、collagen type-3といった線維化関連遺伝子の発現は抑制されていた。 DGKζはGq蛋白共役型受容体シグナルと細胞内脂質代謝の調節因子として機能し、心筋梗塞後の左室リモデリングを抑制することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)