2006 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンを介した血小板活性化制御機構:血栓形成機序の解明
Project/Area Number |
17590708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江藤 浩之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50286986)
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Keywords | 血小板 / 細胞骨格 / インテグリン / 動脈血栓 / ES細胞 / シグナル |
Research Abstract |
血小板が動脈血流に抵抗し安定血栓を形成する上で、インテグリンαIIbβ3活性化後のアクチン再構成による細胞骨格変化は必須である。我々はαIlbβ3活性化後のシグナルとして、Src, Syk, PKCが必須である事をそれぞれの遺伝子欠損マウスモデルの解析により明らかとしてきた。造血サイトカインシグナルを抑制的に制御するSH2アダプター分子Lnkは、その欠損マウスにおいて血小板数が約5倍に上昇する。一方、血流下での血栓形成能はLnk欠損血小板において低下していることを我々は発見した。この分子機構としてLnkがインテグリンαIIbβ3結合c-Srcの活性化依存性にリン酸化され、他のSrcファミリーであるFynがインテグリンに動員するために必須であることを今回証明した(論文準備中)。Lnk欠損マウスの造血幹細胞は数・骨髄再建能の亢進が認められるため、Lnkが再生医療実践のための標的分子となりつつある。Lnkが血小板機能においても重要であることを本研究によって明らかとした。 他方、我々は京都大学樹立のヒト胚性幹(ES)細胞3株を用いた新規培養法を確立し、ヒトES細胞由来血小板産生を試験管内(in vitro)で行うことに世界で初めて成功した(論文投稿中)。血小板を含むヒト造血が生体内でどのように行われているかは未だ明らかでない現状において、我々の確立したvitro培養系は今後も広く活用されることが期待できる。
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Research Products
(7 results)