2006 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患の血管新生療法における組織ドプラ法組織性状分析による治療効果の判定
Project/Area Number |
17590716
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小山 潤 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (10303463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宇一 信州大学, 大学院医学研究科, 教授 (30221063)
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
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Keywords | 再生医療 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
自己骨髄細胞移植による虚血性心疾患の血管新生療法に関しては、その実施に関して当院倫理委員会の承認を得ており、平成17年7月に1例目の治療実施を行った。 本症例は3枝病変を有しており左前下行枝、右冠動脈へはバイパス術可能と判断されたが、左回旋枝はカテーテルによる血管内治療やバイパス手術による血行再建が不可能と判断された。すなわち吻合すべき血管の瀰漫性石灰化、狭小化のため(基本的に径1.5mm以下)事実上吻合が不適切で、かつカテーテルによる血管内治療が不適切と判断された回旋枝領域に対し、自己骨髄細胞移植を施行した。左前下行枝、右しては、内胸動脈グラフトを用いバイパス術を施行した。 自己骨髄細胞移植に伴う周術期合併症は認めず、術後経過は順調で、タリウムシンチによると左回旋枝領域の移植部位の心筋虚血症状の改善を認めた。一方、組織ドプラ法による局所心筋収縮性に関しては観察期間中有意な改善は認めなかった。 さらに平成19年2月に2例目の症例に対し自己骨髄細胞移植による虚血性心疾患の血管新性療法を試行し、経過観察中である。本症例も自己骨髄細胞移植に伴う周術期合併症は認めず、術後経過は順調である。 予定入院の虚血性心疾患患者は全例入院時に所定のプロトコールで組織ドプラ法を用いた解析が可能になるよう連続症例で心エコー検査を行い、治療適応症例の出現に備えている。また、自己骨髄細胞移植による治療の適応とならなかった虚血領域の変化を経時的に観察しており、血管新性療法との比較ができるようデータを蓄積している。
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Research Products
(4 results)