2005 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いたアテローム・プラーク破綻機構の解明
Project/Area Number |
17590723
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛谷 雅文 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10283441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 昭久 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20109763)
成 憲武 名古屋大学, 医学部, 助手 (30378228)
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Keywords | 動脈硬化 / プラーク破綻 / 動物モデル / プロテアーゼ / コラーゲン |
Research Abstract |
我々はアポE遺伝子欠損変異マウスの総計動脈を結紮し、さらに時間経過をおいてカフを装着させることによりカフ装着部に極めて効率に閉塞性血栓形成をともなうプラークラプチャーを誘導することに成功した。閉塞性血栓を伴うラプチャーはカフ装着後、経時的に増加し、7目目では100%、4目目でも60%以上に病変を認めた。今年度はそのラプチャー部位の組織学的性状につき検討した。 1)プラークラプチャーはカフ装着後4目まで経時的にカフ装着部分の内膜肥厚部のコラーゲン含量(マッソントリクローム染色とpicrosirius redで評価)は減少した。 2)カフ装着により内膜肥厚部のアポトーシス細胞(ss-DNAならびにcleaved caspase-3の染色で評価)が急激に増加していた(カフ装着後アポトーシス細胞の割合:0day;n=16,2.7±1.8%,2days;n=17,11.4±7.7%,4day;n=21,9.9±5.2%)。 3)カフ装着により内膜肥厚部に白血球、とくに好中球の浸潤が認められた。 4)カフ装着後内膜肥厚部にMMP-2,MMP-9の存在が確認された。 以上よりカフ装着という人為的な操作により、白血球の浸潤をともなう炎症が惹起され、さらにアポトーシスが誘導されることが明らかになった。今回の検討では明らかに血管壁のコラーゲン量が減少することが確かめられたが、コラーゲン産生が減少したためかプロテアーゼ産生の増大が関与するのかは今後の検討課題である。次年度は病変部のmRNA解析、さらには本モデルを使用し、薬物によるプラークラプチャーの抑制を試みる。予定としては3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A reductase阻害剤とAngiotensin II type 1 receptor阻害剤の効果を検討する予定である。
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