2006 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いたアテローム・プラーク破綻機構の解明
Project/Area Number |
17590723
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛谷 雅文 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10283441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 昭久 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20109763)
成 憲武 名古屋大学, 医学部, 助手 (30378228)
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Keywords | 動脈硬化 / プラーク破綻 / 動物モデル / プロテアーゼ / コラーゲン |
Research Abstract |
我々はアポE遺伝子欠損変異マウスの総計動脈を結紮し、さらに時間経過をおいてカフを装着させることによりカフ装着部に極めて効率に閉塞性血栓形成をともなうプラークラプチャーを誘導することに成功した。平成18年度は同モデルを用いて病変部mRNA解析ならびに薬剤効果を検討した。 プラーク破綻部位よりカフ装着から経時的に組織よりRNAを抽出し、real time RT-PCR法にて種々のMMPs, TIMPs, collagen type Iの発現を検討した。 1)MMP-2,MMP-3,MMP-14,collagenはカフ装着時から装着後7日目まで経時的にmRNA発現が増加した。 2)一方MMP-9,TIMP-1は装着後4日目にmRNA発現のピーク後徐々に発現が低下した。 3)TIMP-2はカフ装着後急激に発現が低下し以後徐々に回復を認めた。 以上より、各種MMP, TIMPによりmRNAの経時的な変化は異なるが、いずれのmRNAはカフ装着後4日目までは増加し、病変部のマトリックス蛋白融解に関与しているものと思われた。 薬物によるプラークラプチャーの抑制を試みる目的で3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme Areductase阻害剤の効果を検討したが、同薬剤(フルパスタチン)はプラークラプチャーを有意に抑制した。その機構を探るため、動脈壁内のコラーゲン含量、さらには好中球の病変部への浸潤を定量したところ、フルパスタチン投与により、動脈壁内のコラーゲン含量は有意に増加し、さらに好中球の浸潤が抑制された。
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