2005 Fiscal Year Annual Research Report
テネイシンCを分子標的とした心筋梗塞後リモデリング治療法開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
17590724
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉田 恭子 (今中 恭子) 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00242967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 勝也 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40343222)
原 万里 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教務職員 (30176383)
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Keywords | テネイシン / 細胞外マトリックス / 遺伝子改変マウス / 心筋梗塞 / 心室リモデリング |
Research Abstract |
梗塞後の心室リモデリング進展におけるテネイシンCの役割を解明するために、ノックアウトマウスを用いて心筋梗塞モデルを作成し野性型と対比した。12週令オスBalb/cバックグラウンドテネイシンCノックアウトマウス(KO:n=30)および野生型マウス(Wt:n=37)の冠動脈結紮したところ、KO12匹、WT17匹が1日以内に急性心不全で死亡、その後28日までにKO1匹,WT4匹が心不全で死亡したが生存率には差は認められないと考えられた。ノックアウトの1匹は8日後心破裂で死亡した。28日後KO, WTそれぞれ16匹について心機能を解析すると拡張末期径、左室拡張末期圧はノックアウトの方が有意に低く、テネイシンCがない方が心機能の改善が良好であった。梗塞巣の大きさには差は見られなかった。これは、急性心筋梗塞後テネイシンCが高い患者では6ヶ月後に心室リモデリングをおこす頻度が高く、慢性期の心機能回復が不良で予後が悪いという我々の最近の結果と一致した。 さらに、CAGプロモーターとマウステネイシンC遺伝子の間にloxではさんだstopを挿入したトランスジェニックマウスを作成し、α-myosin heavy chain(αMHC)プロモーターCrePRIマウスと交配してテネイシンCの心臓での過剰発現を試みた。理論的には、このマウスではタモキシフェン投与によりαMHCを発現させ、Cre recombinationを誘導できるが,実際にはleakがあり、誘発をかけなくても,生後6週ごろから、本来なら正常で発現しない心筋細胞がテネイシンCを産生、周囲間質に分泌することが確認された。Recombinationによる過剰発現は少なくとも31週令まで持続していることが確認できたが、現在のところ、過剰発現させただけでは心臓に明らかな変化を認めていない。
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Research Products
(6 results)