2005 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈硬化と冠血管機能におけるプロスタグランジンD合成酵素の意義
Project/Area Number |
17590726
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
松本 鉄也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70273406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
裏出 良博 大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究部長 (10201360)
江口 豊 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00263054)
堀江 稔 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90183938)
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Keywords | coronary / prostaglandin / atherosclerosis / artery |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)D2を合成するリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)はヒトの冠動脈硬化巣において生成されることから、冠動脈疾患におけるPGD2/L-PGDS系の役割を検討した。先ず、冠循環における内皮および線溶能と末梢の血管内皮機能について解析した(Hypertension Res 28: 59-66, 2005、Therapeutic Research 26(7): 1487, 2005)。さらに、狭心症患者を対象に、血清L-PGDS濃度の測定、冠血管内皮機能の検討を行なった。冠動脈造影検査上、有意狭窄を認めない狭心症患者において、アセチルコリンを左冠動脈に持続投与し、ドプラ-ガイドワイヤ-による冠血流速度の測定を施行し、定量的冠動脈造影法と併せ、冠血管機能を評価した。また、大動脈、冠静脈洞より採血を施行し、L-PGDSの冠動静脈較差より冠循環における分泌能を評価した。冠疾患患者では血清L-PGDS濃度の冠動静脈格差を認め、L-PGDSの冠疾患患者における冠血管床での産生が示唆され、さらに、血清L-PGDS濃度が冠血管内皮機能と相関することを報告した(Relationship between coronary vasomotor function and serum lipocalin-type prostaglandin D synthase level in coronary vasospastic angina. The 69^<th> annual scientific meeting of the Japanese circulation society 2005.03.19)。今後、冠動脈硬化や冠動脈プラークの不安定性における血清L-PGDS濃度の意義についても検討し、他の動脈硬化の危険因子と比較し、独立した規定因子となるかどうかについて解明する。
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Research Products
(6 results)