2006 Fiscal Year Annual Research Report
内皮由来過分極因子(EDHF)による循環器・糖尿病治療の創薬に向けての基盤研究
Project/Area Number |
17590747
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晃男 佐賀大学, 医学部, 助教授 (20168454)
平瀬 徹明 佐賀大学, 医学部, 助手 (60363446)
明石 真 佐賀大学, 医学部, 講師 (30398119)
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Keywords | 血管内皮機能 / 循環器・高血圧 / 脂質 |
Research Abstract |
アラキドン酸カスケードの産物であるEpoxygenase由来のEpoxyeicosatrienoic acid(EET)は抗動脈作用を有する。我々は冠動脈疾患群で、EET産生酵素であるCYP2J2のSNPを明らかにしている。同じP450ファミリーであるCYP4Aにより20-HETEが産生されるが20-HETEはEETに比し血管収縮作用、炎症誘導作用を有する。したがってCYP4A、20-HETEは動脈硬化や高血圧・糖尿病の発症・進展に関わっている可能性がある。大阪大学、佐賀大学で、インフォームドコンセントのとれた高血圧患者と健康人の血液サンプルからDNAを摘出し、CYP4Aの全てのエクソンと上流領域をダイターミネーター化学法にてPCRでシークエンスを行い、転写開始点は5'RACE法で決定し、それによりSNPの領域を決定した。ゲルシフト法にてそのSNPの場所で変異体をオリゴヌクレオチドとして用いSP1との結合能力を検討する。 正常血圧者でCYP4A遺伝子のプロモーター領域のAAtype、AA+AGtypeの頻度が、それぞれ54.1%、45.9%、高血圧患者で65.6%、34.4%と優位にAAの頻度が高いことが明らかになった。またルシフェラーゼアッセイにてCYP4A11(-533AAtype)のプロモーター活性がCYP4A11(-533AGtype)に比べて高いことも明らかになった。腎血管内皮細胞にてアンジオテンシンIIやH202の処理にて、CYP4A11のmRNAの発現が増加することから、腎臓でのCYP4Aからの20-HETE産生が高血圧の進展に関与している可能性が示唆された。
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