2006 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化症患者に於ける脆弱性の評価・検討とその指標の臨床応用
Project/Area Number |
17590753
|
Research Institution | Kumamoto University, Kumamoto University Hospital |
Principal Investigator |
杉山 正悟 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90274711)
|
Keywords | 動脈硬化症 / 頸動脈超音波検査 / プラーク安定化 / 脂質低下療法 / スタチン / コレステロール / 血管内皮細胞障害 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究では、既に動脈硬化病変が存在する中高年者を対象としてVulnerable Plaque, Vulnerable Bloodを有するVulnerable Patientsを評価・同定するための新たな臨床マーカーの確立を目的とし、更にこれらの臨床マーカーを用いて種々の動脈硬化治療戦略が脆弱患者安定化、冠動脈疾患・心血管イベント抑制をもたらす"安定化療法"として有効であるか臨床的検討を行った。 超音波検査による頸動脈-動脈硬化病変評価の臨床応用: ・ストロングスタチンであるatorvastatin投与によるスタチン治療によってより強力な脂質低下療法を行った際に、実質的LDLコレステロール低下効果とスタチンの多面的効果の代表とされるhs-CRP低下について、頸動脈プラーク質的変化に及ぼす影響を検討した。頸動脈プラークエコー輝度改善においてはhs-CRP変化ではなく、より強力なLDLコレステロール低下自身が関与していることが示された。より強力なLDLコレステロール低下療法は、日本人においてプラークをさせた。(論文作成中) 血管内皮細胞障害を反映する指標としての血管内皮細胞由来微小粒子(Microparticles : EMP)検討: 熊本大学病院循環器内科に入院した冠動脈疾患患者において、血管内皮細胞障害を反映する血中CD144-EMPレベルを測定し2〜3年間の脳.心血管疾患予後を検討し起血中CD144-EMPレベルは、将来の心事故発生において古典的冠動脈疾患危険因子とは独立した有意な予測因子となる事が明らかとなった。(学会発表、論文作成中) 生体内血小板活性化評価指標としての血小板由来微小粒子(PMP)の検討: 生体内血小板活性化を示す血中PMPレベルは、冠動脈疾患患者で上昇していることが明らかになったが、この上昇が糖尿病患者において、冠動脈疾患を発症する前に既に上昇しており、この上昇において血中レムナントリポタンパク(RLP-Cho)レベルが有意な寄与因子となり、フィブラートで治療することによりこの血小板活性化が改善する事が示された。(Eur Heart J 2006)
|
Research Products
(6 results)