2006 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学を用いたアンジオテンシンAT2受容体の樹状細胞分化と抗動脈硬化作用の解析
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17590760
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山田 浩之 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00240036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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Keywords | アンジオテンシンII / 動脈硬化 / 骨髄細胞 / 前駆細胞 |
Research Abstract |
研究経過および成果 【目的1】血管炎症の病態生理における骨髄AT1、AT2受容体の役割を明らかにするため、AT1a-KOマウスまたはAT2-KOマウスの骨髄細胞で置換した骨髄移植モデルを作製し、大腿動脈血管傷害後の新生内膜増生を検討した。 【結果】BM-AT1-KOマウスでは、BM-WTマウスと比べて新生内膜増生が著明に抑制され、BM-AT2-KOマウスでは新生内膜増生が著しく増強していた。血管傷害後の末梢血単球数(CD11b^<hi>)および骨髄由来血管前駆細胞とされるSca-1^+/c-Kit^-/Lin^-細胞数は、BM-AT1-KOマウスでBM-WTマウスに比べて著しく低下していた。また新生内膜内単球数およびSca-1^+細胞数が、BM-AT1-KOマウスで著明に低下していた。一方、BM-AT2-KOマウスではBM-WTマウスに比べて血管傷害後の単球数、Sca-1^+/c-Kit^-/Lin^-細胞数に差を認めなかったが、CCR2陽性単球数が有意に多く、Sca-1^+/c-Kit^-/Lin^-細胞におけるCXCR4発現が有意に増加していた。【結論】骨髄由来細胞AT1、AT2受容体は、単球および骨髄由来血管前駆細胞の遊走、接着、活性化の調節を介して、血管傷害後の新生内膜増生に重要な役割を果たしていることが示唆された。 【目的2】アポE欠損(apoE-KO)マウスの骨髄をAT1受容体欠損(AT1-KO)マウスの骨髄で置換した骨髄移植モデルを用いて骨髄細胞AT1受容体の動脈硬化形成機序における役割を検討した。【結果】ApoE-KO/BM-AT1-KOマウスでは、16週齢時における動脈硬化病変領域はapoE-KO/BM-WTマウスに比べて57%抑制されていた。MOMA-2陽性細胞の集積はapoE-KO/BM-AT1-KOマウスにおいて62%抑制されていた。オイルレッド0陽性領域はapoE-KO/BM-AT1-KOマウスにおいて有意に低値であった。(1.6±0.7vs3.8±0.9%;P<0.05)。一方、末梢血中の活性化単球(Lly-6C^<hi>)数はapoE-KO/BM-AT1-KOマウスで有意に抑制されており、CCR2^+およびCX3CR1^+単球数もapoE-KO/BM-AT1-KOマウスで有意に減少していた。骨髄AT1受容体による造血系幹細胞の分化・増殖への関与を調べるため、骨髄中の造血系幹細胞および単球・マクロファージ系前駆細胞のFACS解析を行った。造血系幹細胞(HSC)数は両群間で有意差を認めなかったものの、Common myeloid progenitorsおよびGranulocyte/Macrophage Progenitors数はapoE-:KO/BM-AT1-KOマウスにおいて有意に減少していた。骨髄AT1受容体はHSCから単球・マクロファージ前駆細胞への分化を促進することが示された。【結論】骨髄AT1受容体はHSCから単球・マクロファージ前駆細胞への分化を促進し、単球・マクロファージの活性化を介して動脈硬化形成を促進する。骨髄AT1受容体は心血管病の重要な治療標的となり得ることが示唆された。
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Research Products
(3 results)