2006 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の心筋細胞分化過程における心筋特異的GATA4複合体の解析
Project/Area Number |
17590770
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Research Institution | Research Institute for Production Development |
Principal Investigator |
森本 達也 (財)生産開発科学研究所, 心血管分子細胞生物学・研究室, 主任研究員 (50390779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 徹 京都大学, 大学院医学研究科循環器内科, 教授 (60161460)
尾野 亘 京都医療センター臨床研究センター, 展開医療研究部・生命情報科学研究室, 室長 (00359275)
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Keywords | ES細胞 / プロテオミクス / 心筋分化 / 転写因子 |
Research Abstract |
(1)GATA4結合蛋白の機能解析 前年度、同定したGATA-4結合蛋白73個のうち、特にP-TEFbに着目した。P-TEFbはCdk9とCyclin Tという2つのサブユニットからなり、そのキナーゼ活性により転写伸長を促進する。まず最初に、GATA-4/p300とCdk9/Cyclin T1の結合を確認するために、上記GATA-4発現HeLa細胞およびMockのHeLa細胞それぞれから核蛋白を抽出し、免疫沈降-ウエスタンブロットにて結合の確認を行った。次にGATA-4/p300による心筋特異的遺伝子ET-1、ANFの活性化に対するCdk9/Cyclin T1の役割を検討するために、CDK9のドミナント・ネガティブ体(DN-CDK9)およびCDK9の阻害剤であるDRBを用いて、転写活性をルシフェラーゼ活性にて測定したところ、この転写活性の亢進は、DN-CDK9およびDRBにより用量依存的に抑制された。さらに、p300によって活性化されるGATA-4のアセチル化をDN-CDK9およびDRBは抑制した。 (2)マウスES細胞における心筋分化に関するGATA4/p300-Cdk9/Cyclin T1複合体の役割 CDK9による心筋細胞分化における役割を検討するために、TSA刺激にてES細胞を心筋細胞分化する系にDRBを加えて検討を行った。TSAを用いる事によりマウスES細胞は8%心筋細胞に分化するが、DRBを投与するとその分化は有意に抑制された。 結論 以上より、ES細胞から心筋細胞への分化の過程において重用な役割を果たしているGATA-4/p300の新たな結合蛋白CDK9/Cyclin T1がその転写活性を亢進し、心筋分化に関与していることが示された。今後、GATA-4/p300-P-TEFb経路をターゲットとして、心筋細胞分化方法の開発につながる可能性が示された。
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