2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患及び特発性肺線維症における肺毛細血管内皮細胞機能障害の意義
Project/Area Number |
17590778
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高畠 典明 山形大学, 医学部, 助手 (80344795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 誠 山形大学, 医学部, 講師 (00280892)
柴田 陽光 山形大学, 医学部, 助手 (60333978)
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 助教授 (40272067)
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Keywords | 123 I-MIBG肺シンチグラム / 慢性閉塞性肺疾患 / 突発性肺線維症 / 肺毛細血管内皮細胞機能障害 |
Research Abstract |
今回の研究を遂行するにあたり、慢性閉塞性肺疾患(以下COPDと約す)及び特発性肺線維症(以下IPFと約す)における血管内皮障害にアポトーシスを介した機序が介在しているかどうかを検討する必要があった。IPFに関してはFasリガンドを介したアポトーシスにより血管内皮障害が惹起される事が報告されており(Kuwano K et al. Respirology 2002;7:15-21)、COPDにおいてもFasリガンドを介したアポトーシスにより血管内皮障害が惹起されているのかを検討する必要があった。なぜなら、アポトーシスが重要な役割を果たしていると証明されれば、肺毛細血管内皮細胞保護作用のあるマレイン酸エナラプリル錠よりも抗アポトーシス効果の期待できる薬剤を選択する余地が出てくるからである。ELISA法を用いた高感度Fasリガンド検出キットを用い、今回の臨床研究に参加予定のCOPD患者70名とコントロール47名の血清中のFasリガンド濃度と薬剤投与前の肺機能や123 I-MIBG肺シンチグラムのデータを比較検討した結果、明らかな相関は認められず、むしろBMIや体脂肪率との相関が認められた(Takabatake N et al.Intern Med.2005;44:1137-1143)。これらの結果は、むしろCOPDにおいてはFasリガンドを介したアポトーシスはCOPD特有のやせと関係している可能性が指摘された。したがって、今回の研究では主にCOPDを中心として肺毛細血管内皮細胞機能障害の意義を検討していくという結論に達した。本研究については現在進行中である。
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