2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺障害の病態における肺胞上皮細胞Bcl-xLの役割
Project/Area Number |
17590789
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 光宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90359844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 融 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346212)
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Keywords | Bcl-xL / 肺胞上皮細胞 / ブレオマイシン / 肺障害 / 肺線維症 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は肺胞上皮細胞特異的にSTAT3を欠損するマウスを作製し、高酸素負荷、ブレオマイシン肺障害負荷に対して、この欠損マウスが著明な障害感受性を有することを確認した。これは肺上皮細胞においてSTAT3が細胞保護作用を担っていることを初めて示した結果であった。STAT3の作用のメカニズムを解明するうえで、Bcl-xLはSTAT3により発現が制御され抗アポトーシス作用を有することが既に報告されているため、今回我々はBcl-xLという分子に注目した。本研究では肺上皮細胞内Bcl-xLの機能解析をin vitroのみならずin vivoでの解析をおこなうために、まずcre-loxp systemを用いて肺胞上皮細胞特異的にBcl-xLを欠損させるマウスを作製した。このマウスは正常対照マウスと比較して生後3ヶ月の時点においては明らかな組織学的変化は観察上はっきりせず、肺胞上皮細胞内Bcl-xLは肺の発生および成熟の過程では特に重要な役割を担っていないと考えられた。この肺胞上皮細胞特異的Bcl-xL欠損マウスを用いて、ブレオマイシン肺線維症モデルの作製を試みた。この欠損マウスはストレスに対して感受性が高いと予想されたため、初期実験として少量(0.3mg/kg)のブレオマイシン投与でモデル作製を試みた。しかしながら、組織学的ならび生化学的な検討の結果、充分な肺障害および肺の線維化が誘導されていないことが判明した。今後ブレオマイシンの投与量を増量して検討を加える。またマウスの交配の効率をあげ、高酸素負荷モデルも検討する。
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Research Products
(3 results)