2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群における体内時計障害の関与:時計遺伝子群の変調解析
Project/Area Number |
17590791
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鰤岡 直人 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50252854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千酌 浩樹 鳥取大学, 医学部, 講師 (90283994)
清水 英治 鳥取大学, 医学部, 教授 (50187449)
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Keywords | 生理学 / 内科 / 遺伝子 / 概日リズム |
Research Abstract |
本年度は睡眠時無呼吸症候群患者における体内時計遺伝子群の変調を調べるため以下の検討を行った. 1.ヒト末梢血液における時計遺伝子のmRNA発現に対する影響因子 時計遺伝子のmRNA発現をin vivoで確認するため,簡便に採取可能な末梢血液に着目した.ヒト末梢血液から単核球を分離し時計遺伝子のmRNA発現に対する影響因子を解析した.特に時計遺伝子のうち,重要なPeriod1遺伝子を解析した.Period1上流のGlucocorticoid response element (GRE), cAMP response element (CRE)がin vitro, in vivoでPeriod1 mRNA発現増強に関与していた. 2.睡眠時無呼吸症候群患者における体内時計遺伝子群の変調解析 体内時計遺伝子群の変調を確認するため,末梢血液を複数時点採取し時計遺伝子のmRNA発現を日内変動として睡眠時無呼吸症候群患者および正常者群でRT-PCR, Real-time PCR法により比較した.さらに分離した血清からコルチゾール,高感度CRP, ElISA法を用いてIL-6を測定した.Period1 mRNAは正常者で深夜に低下する日内変動を認めたが睡眠時無呼吸症候群患者において特に睡眠中のPeriod1 mRNA発現が異なっていた.機序として無呼吸による睡眠中の低酸素状態が影響を及ぼしIL-6の上昇をきたしPeriod1 mRNA発現増強を誘導しているなどの可能性が推測された. これらの成果に加えて,(1)CPAP呼吸療法により低酸素状態を防ぐことで体内時計遺伝子群の変調が改善する可能性の検討,(2)低酸素状態の培養細胞でin vitroにおける時計遺伝子発現の変化の解析(3)動物実験を行う予定である.
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