2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維化病態におけるEMTの分子機構の解明とその制御
Project/Area Number |
17590793
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 和善 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40205266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 昌樹 九州大学, 大学病院, 助手 (50325461)
吉見 通洋 九州大学, 大学病院, 助手 (30372759)
前山 隆茂 九州大学, 大学病院, 医員 (40380456)
猪島 一朗 九州大学, 大学病院, 医員 (90380419)
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Keywords | 肺損傷 / 肺線維症 / EMT / TGF-beta / 特発性間質性肺炎 / 特発性肺線維症 / ブレオマイシン |
Research Abstract |
(1)特発性間質性肺炎・肺線維症(IIP)におけるEMTの検討 IIPの胸腔鏡下肺生検によって得られた肺組織を用いて、蛍光二重免疫染色法によって、EMTの指標としてにE-cadherin,α-smooth muscle actin,の発現を正常肺と比較検討し、上皮細胞のEMTの有無について検討した。その結果、正常肺やNSIPにおいてはほとんど認められなかったが、IPFの肺組織においては、線維化した部位と、特にfibroblastic fociに高率に認められた。この結果は、EMTが肺線維症に関与していることを示唆している。 (2)マウス・ブレオマイシン肺損傷・肺線維症モデルにおけるEMTの検討 このモデルを用いて、肺損傷と肺線維化の過程におけるEMTの役割を解析するため、蛍光二重免疫染色によって、EMTの指標としてE-cadherin,α-smooth muscle actinの発現を経時的に検討した。その結果、EMTは、細気管支上皮細胞特に、細気管支肺胞道の境界領域の上皮に高率に認められ、本モデルの線維化病態にEMTが関連していることが示唆された。 (3)肺損傷、線維化におけるTGF-β抑制によるEMTに及ぼす影響 ブレオマイシン肺臓炎モデルを用いて、EMT誘導の主体であるTGF-βをsTGFRによって抑制することでEMTに及ぼす影響を観察した。本実験のsTGFRは、in vivo transfectionにてplasmidをマウスに筋注することによって遺伝子導入し、筋細胞内で産生させることによって投与した。その結果、遺伝子導入によって肺線維化は抑制され、EMTも抑制された。このことは、EMTが線維化に関連していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)