2006 Fiscal Year Annual Research Report
喘息気道リモデリングに関与する骨髄由来線維芽細胞の解析と介入的機能調節
Project/Area Number |
17590802
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 一範 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70285592)
大津 浩 東北大学, 工学部, 教授 (60250742)
|
Keywords | 骨髄キメラマウス / G-CSF / GFP / 線維芽細胞 / コラーゲン沈着 / 線維化 |
Research Abstract |
骨髄キメラマウスの喘息モデルの解析 方法:中間報告で述べた骨髄キメラマウスを用いて気管支喘息のマウスモデルを作成した。 感作2週間後卵白アルブミン(OVA)溶液の吸入暴露を一日おきに反復して行い、一ヶ月目まで経時的に末梢血、気管支肺胞洗浄液、肺組織を採取した。 加えて、骨髄細胞から組織への移行を促進させるため、OVA吸入時に連日G-CSFを腹腔投与し、G-CSF非投与群と比較した。 肺組織変化の評価:肺組織をホルマリン固定後パラフィン包埋し、組織標本を作製し、HE染色後、肺胞組織への細胞浸潤の程度を半定量的な組織スコアとして評価する。更に、凍結標本について蛍光顕微鏡下で上皮および気道粘膜下のGFP陽性細胞を検出し、更に抗GFP抗体によってもGFP陽性細胞を確認した。 結果:OVA暴露後1週間の骨髄キメラマウスの肺組織には、好酸球を主体としてリンパ球、単球の気道周囲、肺胞腔への浸潤が著明であった。また2週間-1ヶ月目の組織において、上記炎症細胞の浸潤に加え気道上皮基底膜の肥厚やコラーゲンの沈着が著明となった。蛍光顕微鏡下でGFP陽性細胞を確認し、多くは好酸球などの炎症細胞であったが、一部の細胞は気道上皮下に紡錘状の形態を呈し、線維芽細胞と考えられるGFP陽性細胞が確認され、抗GFP抗体によっても確認した。 また、G-CSF投与群では肺内全体のGFP陽性細胞数が増加しており、G-CSFが骨髄細胞の肺への移行を促進したと考えられる。更にEM染色でみた気管支周囲の線維化がG-CSF非投与群と比較して減少していた。 結論:気管支喘息におけるアレルギー性炎症に伴う気道粘膜化の線維化に骨髄由来線維芽細胞が関与している可能性が示唆された。
|