2005 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙関連遺伝子の解析による日本人における禁煙療法の個別化
Project/Area Number |
17590804
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲村 秀俊 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00217879)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 彰敏 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90176181)
中島 隆裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306702)
高橋 左枝子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10327512)
栗原 亜子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80338037)
小川 裕子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00348632)
|
Keywords | 喫煙 / 遺伝子 / ニコチン / CYP2A6 / セロトニン / ドパミン |
Research Abstract |
これまでに我々は日本人の喫煙量を規定する遺伝的因子として主要なニコチン代謝酵素CYP2A6の全欠失型多型(^*4)の重要性を報告してきた(2003 Thorax)。本研究では、はじめに^*4とともにアジア人で高頻度にみられる機能多型CYP2A6^*7,^*9の1日喫煙量に対する影響について検討した。200名の日本人喫煙者における^*1(野生型),^*4^*7^*9のアレル頻度は各々52,17,11,20%であった。^*4^*7^*9を代謝遅延型の多型として一括して扱った場合、野生型の遺伝子型の日本人は26%のみで、ヘテロ接合が52.5%、ホモ接合の変異型が21.5%存在した。ホモ接合ではヘテロ接合および野生型に比べ、1日喫煙量が有意に少なかった。1日喫煙量は野生型の^*1/^*1で最大、全欠失型の^*4/^*4で最小となり、その間は多型数に応じて予想通りに分布した。この結果より、日本人喫煙者の1日喫煙量が^*4^*7^*9の解析により予測可能であると考えられた。さらにこの結果は禁煙時のニコチン置換薬の最適な投与法に影響を与えると考えられた。 一方、ニコチン依存に関わる遺伝的因子として、脳内神経伝達物質であるセロトニン、ドパミン系に関わる物質の遺伝子多型の関与が考えられる。本研究ではセロトニントランスポーターのプロモーター多型と喫煙習慣の関連について検討した。繰り返し配列の短いS群では長いL群に比べ、喫煙量が多く、CT上の肺気腫の程度も重症であることが示唆された。この多型は喫煙量への影響を介し、2次的に肺気腫の重症度と関連していると考えられた。さらに現在、ドパミンD2受容体A1/2多型について検討中である。ドパミン神経系は喫煙依存に深く関わるものと推察されるが、S1/2多型と喫煙習慣との関連はこれまでの検討では明確になっていない。
|
Research Products
(1 results)